フォーティネット、Wi-Fi機能を標準搭載したUTMアプライアンス
エンタープライズ向け無線LANアクセスポイントも
フォーティネットジャパン株式会社は19日、無線LANアクセスポイントとIPSec/SSL VPN、ウイルス対策などのUTM機能を1つの筐体に統合したUTMアプライアンスの新製品「FortiWiFi-40C」および「FortiWiFi-60C」、またFortiGateとFortiWiFiに内蔵された無線LANコントローラ機能と連携して稼働する無線LANアクセスポイントの新製品「FortiAP-221B」を販売開始したと発表した。
FortiWiFi-40C | FortiWiFi-60C |
「FortiWiFi」は、UTMアプライアンス「FortiGate」にWi-Fi機能を標準搭載し、無線から有線ネットワークまで、オールインワンのゲートウェイセキュリティを提供する、スモールオフィス/他店舗・多地点向けアプライアンス。別の「FortiWiFi」を無線LAN子機(クライアントモード)として利用することが可能。また、階が異なるなど物理的にLANケーブルを設置できない環境で、無線と有線を統合したセキュアなネットワークを構築することもできる。さらに、「FortiGate」と同様にExpress Cardスロット(FortiWiFi-60Cのみ)やUSBインターフェイスを装備しており、バックアップ回線として移動体通信サービスが利用可能となっている。
フォーティネットジャパン コーポレートマーケティング部 部長の余頃孔一氏 |
フォーティネットジャパン コーポレートマーケティング部 部長の余頃孔一氏は、「従来の『FortiGate』では、Wi-Fi接続のためにアクセスポイント『FortiAP』が必要だったが、今回の『FortiWiFi』では、Wi-Fiアクセスポイント機能までを統合している。これにより、SOHOオフィスや大企業の営業拠点、リテールの小売店、小売業の各店舗などでは、『FortiWiFi』1台で、UTM機能からワイヤレスのアクセスポイントまでをカバーすることが可能になる」と、新製品の特徴を説明した。
また、「FortiWiFi」を投入する市場背景について、フォーティネットジャパン マーケティング プロダクトマネージメントディレクターの根岸正人氏は、「現在、スマートデバイスが普及拡大を続けており、ノートPCを上回る勢いで台数が伸びている。そして、スマートデバイスだけでなく、モバイルのハンドセットや医療関係のデバイスなど、あらゆるデバイスが無線化しており、無線LANのニーズが急速に高まってきている。そのなかで、スマートデバイスを活用した無線LANにおいては、“シンプル”、“セキュア”、“リーズナブル”の3つの要素が求められている。そこで、『FortiWiFi』によって、これらの要素をすべてカバーする機能を提供する」と述べている。
フォーティネットジャパン マーケティング プロダクトマネージメントディレクターの根岸正人氏 | フォーティネットの無線LAN構成 |
具体的には、Wi-Fi機能、無線LANコントローラ、UTMセキュリティゲートウェイ、リモートアクセス機能、証明書認証、OTP認証、ログの保存といった機能を1台のアプライアンスに集約。また、これらすべての機能を1つの画面から運用管理することが可能となっている。無線LANコントローラとしては、最大5台の「FortiAP」無線LANアクセスポイントをサポートする。「FortiWiFi-40C」は200Mbpsファイアウォールモデル、「FortiWiFi-60C」は1Gbpsファイアウォールモデルとなる。
FortiAP-221B |
同時に発売した「FortiAP-221B」は、エンタープライズ向けの無線LANアクセスポイント。主な特徴は、セキュアなシンアクセスポイント、IEEE 802.11a/b/g/n、無線ラジオ数 2、アンテナ 2×2 MIMO方式、DFS(Dynamic Frequency Selection)など。これにより、従来のエンタープライズ無線LANが直面する“複雑”、“安全ではない”、“拡張性がない”といった課題をクリアにする。
なお、同社では、BYODなどスマートデバイスの企業への導入において求められる、セキュアなリモートアクセス環境を構築するために、iOSおよびAndroidに対応した新バージョンのFortiClientアプリケーションをリリースしたことも発表した。
Android版FortiClientは、FortiGateアプライアンスにSSL VPNトンネルモードおよびIPSec VPNでの接続が可能となる。エンドユーザーの接続は完全に暗号化され、すべてのトラフィックはセキュアなトンネルを介して送信される。また、iOS版FortiClientは、WebモードのSSL VPN機能が追加された。