日本IBM、Linux専用サーバー「PowerLinux」のエントリーモデル


PowerLinux 7R1

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は11日、Linux専用サーバーのエントリーモデル「PowerLinux 7R1」を発表した。最小構成価格は103万300円(税別)で、7月20日の出荷開始を予定する。

 PowerLinux 7R1は、POWER7プロセッサを搭載し、ミッションクリティカルな業務システムなどでの利用に適したLinux専用サーバー。4月に発表された「PowerLinux 7R2」のCPU搭載数を半分にしており、シリーズ中のエントリーモデルに位置づけられる。さらに多くのx86サーバーと同様、100V電源に対応したことで、既存のx86サーバーからの移行をしやすくした。

 また、エントリーモデルでありながらも、PowerLinux向け仮想化機能「PowerVM for PowerLinux」により、1CPUコアあたり最大10台、1サーバーでは最大80台の仮想サーバーを稼働できるため、1台のサーバーを多くの用途で利用できる点が特徴。PowerVM for PowerLinuxは、PowerVM仮想化機能と同様に高いセキュリティを実現し、命令実行時のオーバーヘッドがほとんど発生しない設計により、仮想化環境においても物理環境と変わらない性能を提供できるという。

 日本IBMでは具体的な用途の例として、PostgreSQLを用いた信頼性の高いデータベース環境の構築、複数台のApache Tomcatを統合、といった利用法を紹介しているが、さらにその両用途を1台のPowerLinuxに集積することも可能とのこと。

 別の例では、クラスキャットのインターネットサーバー管理ツール「ClassCat Cute Server Manager Enterprise Edition」、XEENUTSのスマートデバイス/アプリケーション認証システム「EXAGATE」、ファイルサーバーといった機能を1台のPowerLinux 7R1上で稼働させ、企業向けのオールインワンサーバーとして導入する、といった利用法を紹介している。

 なお今回は同時に、Linux市場に向けたビジネス強化施策の一環として、PowerLinuxのソリューションパートナーである、福岡情報ビジネスセンター、AIT、ウチダスペクトラム株式会社の3社がそれぞれのコンピテンシーセンターを8月1日に開設することも発表された。同センターでは、PowerLinuxの検証作業や移行支援などを実施し、より高性能・高信頼かつ経済性に優れたLinuxサーバーを必要とする顧客からのニーズに応えるとしている。開設場所は、福岡情報ビジネスセンターが福岡、ほかの2社が東京となる。

関連情報