日本IBM、企業のモバイル活用を包括的に支援するソフト
ソフトウェア事業 WebSphere事業部長の三戸篤氏 |
Mobile Foundationの構成 |
日本IBMは17日、企業におけるスマートデバイスの活用を支援するソフト製品「IBM Mobile Foundation V5.0」「IBM Worklight V5.0」を発表した。
企業でモバイル端末を活用するには、さまざまな課題が存在する。例えば、「端末の機種によって異なるOS・画面サイズに応じたアプリ開発が必要だったり、モバイルアプリ専門の開発者を確保しなければならなかったり、端末の紛失・盗難による情報漏えいを防がなければならないといったものだ」(同社)。
Mobile Foundationは、これらの課題を解決するソフト製品で、(1)モバイル対応アプリの開発・実行環境、(2)クラウドや基幹システムとのデータ連係、(3)アプリやモバイル端末のセキュリティと管理の3つの機能が統合されている。
一方のWorklightは、上記のうち(1)の機能を個別に提供するソフト。
(1)の機能では、Eclipseを基盤としたモバイルアプリ開発環境を提供。ソフトウェア事業 WebSphere事業部長の三戸篤氏は「開発者はJavaScriptやHTML5などのオープンな開発言語によってプログラミングが可能。1つのソースコードから、OSや画面のサイズが異なる複数のモバイルに向けたアプリを生成できる」と、既存の開発環境をそのまま生かせる点やクロスプラットフォームに対応する点をアピールした。対応OSは、iOS/Android/Blackberry/Windows Phone。
Web標準技術を活用したモバイルアプリ開発が可能 | クロスプラットフォームに対応 |
(2)の機能では、新規に構築したモバイルアプリを既存の基幹システムやクラウドサービスと連携させるソフトを提供する。活用するのはクラウドサービスやオンプレミスのシステムとの連携を実現する「WebSphere Cast Iron」。代表的なクラウドサービス・基幹アプリのアダプターやテンプレートを有すため、素早く簡単に連携が可能。クラウド上の子役情報の参照や基幹システム上の在庫・発注情報などを参照できるほか、注文完了といった更新情報を端末にプッシュ通知することも可能となる。
クラウドや基幹システムとの統合 |
(3)の機能では、モバイルアプリに対する自動更新、利用制限、オンラインキャッシュの暗号化、改ざん防止、認証・シングルサインオンを実現。またデバイスに対する端末インベントリ、位置情報の取得、端末構成の管理、セキュリティ構成の管理、端末画面ロック、データ消去、改造検出などが利用できる。
セキュリティと管理 |
Mobile Foundationの利用料は1281万5000円(税別)から、Worklightは495万5900円(同)。同日より販売を開始し、6月16日からダウンロードにより提供を開始する。
三戸氏は「直接販売として、大手企業を中心にモバイル活用を検討中のお客さま、WebSphere Application Serverを活用しているお客さまへ提案する。パートナービジネスも拡大し、企業システムを開発するインテグレーターやアプリベンダーとの協業を深める。また、開発者への支援として、Worklight Developer Editionの無償提供や、開発者を対象としたセミナーや技術交流会の開催などを実施していく」と販売施策を説明した。