IDCフロンティア、北九州市の環境対応型データセンターに5号棟を増設へ

外気冷却をメインとする設計で空調電力を大幅に削減


アジアン・フロンティア5号棟完成予想図

 株式会社IDCフロンティアは15日、福岡県北九州市のデータセンター「アジアン・フロンティア」において、5号棟の増設を決定したと発表した。3月中に着工し、2013年2月末の竣工を目指すという。規模は530ラックを想定する。

 「アジアン・フロンティア」は、2008年に1号棟の運用が開始された北九州市のデータセンター。北九州市は地震や津波などの自然災害の発生リスクが少ないとのことで、IXなどのネットワーク接続拠点や、公共交通機関の整備が進むなど、その立地の優位性から企業の大口採用が進んでいるという。

 この「アジアン・フロンティア」は、容易に拡張を行えるモジュール方式の先駆けとなったほか、大規模な外気空調を商用としては初めて国内で採用したとのことで、すでに3年半の運用実績を持つ。現在、3号棟が2011年10月に稼働を開始しているが、すでにコロケーション利用は満床が見込まれ、2012年4月末に竣工予定の4号棟も予約が好調に推移しているため、5号棟の建設を決定。拡張性のある地方型データセンターへの移設にシフトしている大型案件や、災害対策需要への対応を図るほか、クラウドサービスの西日本拠点としても展開するとした。

 なお新設される5号棟では、1~4号棟での運用経験と蓄積されたノウハウを基に、温度、風速、気圧などのシミュレーションによってさらに進化した、最新鋭の外気空調システムを採用する。このシステムでは、外気をメインとし空調機での冷却を補助とする方式に進化しているほか、さらにデータセンター内の空気の搬送抵抗の極小化により、通年の約80%が外気による冷房で賄われ、空調電力の大幅な削減が見込まれるとのこと。

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