ブロケード、企業向けスイッチ「ICX 6430/6450」~スタックをまたがった統合管理機能などを提供へ
ICX 6430/6450の概要 |
ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(以下、ブロケード)は8日、エンタープライズ/キャンパスLAN市場向けスイッチ「Brocade ICX 6430」「同 6450」の両シリーズを発表した。
ICX 6430/6450は、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポートを24ポートないし48ポート備え、スタッキングに対応したボックス型のスイッチ。ICX 6430はレイヤ2機能のみを提供するが、ICX 6450はIPv4のスタティックルーティング機能を持ち、拡張ライセンスによってOSPF/RIP/VRRPに対応するなどのレイヤ3機能を提供している点、また、ICX 6430ではアップリングポートがGigabit Ethernet(GbE)なのに対し、ICX 6450は10GbEに対応できる点が大きな違いとなる。
これだけでは一見普通のスイッチと変わらないが、2013年上期にソフトウェアアップグレードで提供を予定する「シングルポイントマネジメント」「ミックス&マッチスタッキング」の両機能が、この新製品をほかのスイッチと差別化しているという。
シングルポイントマネジメント機能 |
ミックス&マッチスタッキング機能 |
このうち「シングルポイントマネジメント」は、複数のスタックグループを大きな1つのスイッチであるかのように管理できる機能で、「1つのスイッチのように見せかけ、プロビジョニング、設定、管理、バージョンアップといったことを一括して行えるため、管理コストを大きく下げることができる」(エンタープライズ システムエンジニアリング部の村田眞人部長)。
この点だけを見ると、一見、ありふれた仮想スイッチ機能に思えるが、村田部長は「あくまでスイッチの管理を一元化するもので、(個々のスイッチの)コントロールプレーンは独立しているので、1台のスイッチが落ちてもすべてに影響するわけではない」と、アプローチの違いを説明。可用性を保ったまま、管理の部分だけを統合できるとした。なお現在はまだ提供されていないため詳細は不明だが、村田部長によれば、1つのIPアドレスへCLIベースでアクセスし、コマンドを入力するイメージとのこと。
一方の「ミックス&マッチスタッキング」は、機能の異なるスイッチ同士をスタックさせる機能。例えば、レイヤ2スイッチのスタックグループにレイヤ3スイッチを1台追加すると、スタックグループ全体でレイヤ3機能が使えるようになるという。
村田部長はこれについて、「従来、レイヤ3機能を使いたいとなった場合は、スタックグループのスイッチ全体をレイヤ3対応に変えないといけなかったが、レイヤ3スイッチを加えるだけでスタック全体がレイヤ3に対応する。ネットワーク全体で数台加えるだけでいいため、スイッチの寿命をこれまでよりも長いスパンで考えられるようになる」と説明した。なおICX 6430/6450とは、すでに提供されている「Brocade ICX 6610」や「Brocade FCX-S」をスタックできる。
ICX 6430/6450の価格はオープンだが、参考価格は、ICX 6430が1259ドルから、ICX 6450が2695ドルから。いずれも3月19日の出荷開始を予定する。また、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×24ポート、48ポートの各モデルに加えて、PoE対応製品もラインアップされるとした。