日本HP、重複排除ストレージ「StoreOnce」の最上位機種

新共通プラットフォームを採用したWindows NAS新製品も


エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏

 日本HPは1日、重複排除バックアップストレージ製品「HP B6200 StoreOnce Backup System(以下、HP B6200)」を発売した。併せて、今後の「HP Storage」のベースとなる新共通プラットフォームを採用したミッドレンジ向けファイルサーバーNASアプライアンス「HP X5000 G2 Network Storage System(以下、HP X5000 G2)」、および「Microsoft Exchange Server 2010(以下、Exchange 2010)」に最適化した統合アプリソリューション「HP E5000 G2 Messaging System(以下、HP E5000 G2)」も発売した。


重複排除ストレージ「StoreOnce」最上位機種

HP B6200

 HP B6200は、効率よく大容量データをバックアップするStoreOnce重複排除機能を備えた「HP StoreOnceファミリ」の最上位機種。スケールアウト型のモジュール設計により、業界最高性能と優れた拡張性を備えたという。

 ペアの重複排除エンジンと28TBのストレージを最小単位(カプレット)として、最大4カプレットまで拡張可能。最大構成では2ラックで最大512TBのストレージ容量、最大28TB/時のスループットを実現する。また、4KBの可変チャンク単位で行われるきめ細かな重複排除機能により、容量の20倍以上のデータをバックアップ可能で、そのバックアップ総容量は最大10PB以上に相当するという。

 そのほか、コントローラやRAID保護の内部冗長化に加え、処理ノードもアクセスパスも含めた完全二重化の高可用性を実現した。「当たり前のことかと思われるかもしれないが、従来、二次ストレージとなるバックアップストレージでは処理ノードやアクセスパスまでの二重化は不要だと考えられてきた。しかし、リモート拠点やクラウド環境など昨今の状況では、24時間きちんとバックアップできる仕組みが必要になっている」(エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 HPストレージ事業本部 製品マーケティング部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏)とのこと。

 諏訪氏は「HP B6200は既存バックアップ環境の1点集約や、各拠点のバックアップデータをデータセンターに一元化した災害対策などとして提案する」との考えを示した。価格は2100万円から。

HP StoreOnceポートフォリオB6200 G2の特徴

スケールアウト型のモジュール設計。カプレット単位で拡張できる処理ノードもアクセスパスも含めた完全二重化



新共通プラットフォーム採用の2製品

新共通プラットフォーム
新共通プラットフォームで8Uから3Uにコンパクト化

 HP X5000/E5000 G2は、IAサーバーとストレージを一体化した新共通プラットフォームを採用した新製品。1台に2ノードを含めたクラスタ構成のストレージを、従来は汎用サーバーと組み合わせて8Uのスペースが必要だったところを3Uに抑えた。言い換えると、IAサーバーをストレージサービス用に最適化し、コンパクトと使いやすさを追求した製品となる。

 HP X5000 G2は、「Windows Storage Server 2008 R2 Enterprise」を搭載したWindows NASストレージ。1台にサーバー2台とHDD16台を集約。容量は外付けディスクエンクロージャを最大4台追加することで、9.6TBから最大約100TBまで拡張する。

 ソフトウェアによる管理性では、「ProLiant」ブレードサーバーより継承された管理ツール「iLO」などをそのまま使用可能。クイック設定ツールも用意し、クラスタ構成までウィザードベースで容易にセットアップできるため、届いたその日から高可用ファイルストレージを利用できるという。

 価格は、HP X5520 G2が451万5000円から。

 既存の中小規模向け「X1000」、中規模向け「X3000」、大規模向け「X9000」に加わる新ラインアップとなり、「従来中小規模で利用されていたWindows Storege Serverも大規模で使えるポテンシャルを持った製品に成熟してきた。今回の新製品ですべての規模をカバーし、中・大規模向けの新規市場を開拓する」(同氏)としている。

 一方のHP E5000 G2は、Exchangeに最適化したハードウェア構成を提供するメッセージングの統合ソリューション。Windows Server 2008 R2 Enterprise、Exchange 2010などのソフト、サポートまでをワンストップに提供。専用の導入支援ツールによって、既存環境へのExchange 2010の導入を迅速に行える。

 ラインアップは、500ユーザー/1GBメールボックス/物理容量12TBの「E5300 G2」から、3000ユーザー/2.5GBメールボックス/物理容量80TBまでの全3機種・5モデルを用意した。

 価格例は、500ユーザー/1GBメールボックス/物理容量12TBの「HP E5300 G2」が504万円、1000ユーザー/1GBメールボックス/物理容量16TBの「HP E5500 G2」が559万6500円、3000ユーザー/1GBメールボックス/物理容量40TBの「HP E5700 G2」が877万8000円。

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