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日本HPの3PARストレージ、ファイルやオブジェクトアクセスに対応へ

StoreOnceとの統合バックアップソリューションも

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は16日、ミッドレンジストレージ「HP 3PAR StoreServ 7000シリーズ」(以下、3PAR 7000シリーズ)において、SAN/NASに両対応した新ラインアップを発表した。同日より販売を開始する。また同時に、重複排除バックアップアプライアンス「HP StoreOnce」との統合も強化するとのこと。

 従来、3PAR 7000シリーズはブロックアクセスにのみ対応していたが、今回提供するコンバージドストレージ「3PAR 7200c/7400c/7440c/7450c」の4モデルでは、新たに内蔵する「HP 3PAR File Personas Software」により、ファイルストレージやオブジェクトストレージとしても利用可能になる(2015年春ごろを予定)。これにより、単一の操作性と運用管理でブロック、ファイル、オブジェクトの各ストレージの一元管理を実現できることから、「今までの制約から解放する製品」と位置付けた

 管理インターフェイスについても、サーバーの管理GUIとして実績のあるHP OneViewライクなツール「3PAR StoreServ Management Console(SSMC)」を採用し、さまざまなスキルのユーザーが利用できるようにしたとのこと。

真のコンバージドストレージを実現するという
HP 3PAR File Personas Softwareの概要

 また、4つのモデルのうち3PAR 7200c/7400c/7450cは従来製品をリニューアルしたものだが、3PAR 7440cはフラッシュとHDDを併用して容量効率を向上させた「コンバージドフラッシュアレイ」として新たに製品化された。

 HDDは最大960台、SSDは最大240台を搭載でき、物理容量は最大2PB(2000TB)まで拡張できるスケーラビリティを持っており、エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部の加藤茂樹カテゴリーマネージャは、「オールフラッシュの『3PAR 7450』を提供した際にお客さまからいただいた、『フラッシュの性能も生かしつつ、HDDを搭載して容量効率を上げたい』といった要望に応えるもの」と説明した。

 価格は、3PAR 7200cが180万円(税別)から、3PAR 7400cが290万円(税別)から、3PAR 7440cと7450cがそれぞれ460万円(税別)から。3PAR 7000シリーズの既存ユーザーに対しては、別途アップグレードキットが発売される。

 なお今回より、3PAR 7000シリーズのコンバージドストレージは、全モデルがチャネル経由で販売可能となった。これについて加藤氏は「3PARのさらなる拡販と、市場での優位性確保につながる」と述べ、市場の広がりに期待を示している。

3PAR 7440c
エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部の加藤茂樹カテゴリーマネージャ

3PARとStoreOnceを連携させる“フラットバックアップ”

 一方、3PARストレージとHP StoreOnceの連携強化では、「HP StoreOnce Recovery Manager Central(RMC)」ソフトウェアにより、3PARストレージのスナップショット機能を用いて、StoreOnceアプライアンスへの直接バックアップが可能になる。

 エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部の諏訪英一郎カテゴリーマネージャは、「従来のバックアップ手法では、性視点を確保して、スナップショットイメージを作成して、バックアップデータを転送し、保存するといった一連のバックアップ操作のジョブを、複数のツールで行う必要があった」と指摘。しかし日本HPでは、「これをすべて単一のツールから共通のオペレーションで行える『フラットバックアップ』を実現した」とする。

一般的なバックアップ手法【左】では、各段階でツールを使い分ける必要があるのに対し、フラットバックアップ【右】では単一のツールによる統合的な管理を実現する

 また、スナップショットは定評ある3PARストレージのスナップショットをそのまま利用。汎用バックアップソフトを使わず、こちらもOneViewスタイルの直感的なインターフェイスから管理を行えるため、低コストかつシンプルなオペレーションを実現している点もメリットとした。

 「アプリケーションでのスナップショットに比べて、3PARのハードウェアスナップショットは高速だし、スナップショットのデータ構造を壊さずにStoreOnceへ移動するメリットもある。また汎用のバックアップソフトを使っていると、ソフト自身のコストもさることながら、設計・運用のコストがかかってしまう。しかしStoreOnce RMCによる連携では、そうした課題を解決できる」(諏訪氏)。

 価格は、「HP StoreOnce Recovery Manager Central for VMware 3PAR 7200 使用権」が25万円(税別)、「同 3PAR 7400 使用権」が60万円(税別)。

 なおStoreOnce RMCによる3PAR連携は、まずはVMware対応からスタートし、今後は対象をExcange ServerやSQL Server、Oracle Database、Hyper-Vなどにも拡大する予定。VMwareについては、vSphereからの管理を可能にするプラグインも用意された。

StoreOnce RMCの機能と流れ
OneViewスタイルの直感的なインターフェイスを採用

石井 一志