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2014年のストレージは3PARとバックアップ/アーカイブを中心に~日本HP

重複排除バックアップストレージを全面刷新

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は19日、2014年のストレージ戦略説明会を開催。1)「HP 3PAR StoreServ」(以下、3PAR)を中心としたプライマリストレージ、2)バックアップ/リカバリ/アーカイブ(BURA)、3)中小規模向けの“シンプルStoreIT”、といった3つの分野に注力すると発表した。また2)の分野では、重複排除ストレージ「HP StoreOnce」のラインアップ刷新、アーカイブストレージ「HP StoreAll」の新製品も同時に発表している。

 各企業や事業者が扱うデータが急激に増える中で、データを保存するストレージについても、変化する時代への対応を迫られている。そうした中で日本HPでは、エントリーレベルからハイエンドまで、1つのアーキテクチャで対応できる「Converged Storage」を戦略として掲げており、プライマリストレージの核として3PAR、BURA分野の核としてStoreOnceとStoreAllを推進してきた。エンタープライズ事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長の福岡英治氏によれば、2014年もこの方針に変更はないとのことで、それぞれの分野で強みをアピールし、シェアの拡大を目指すという。

エンタープライズ事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長の福岡英治氏
2014年に注力する3つの分野

 3PARでは、2012年12月の「HP 3PAR StoreServ 7000シリーズ」により、ミッドレンジとハイエンドのアーキテクチャを統一。さらに2013年7月には、オールフラッシュストレージ「HP 3PAR StoreServ 7450」を発表し、オールフラッシュストレージでも同一のアーキテクチャで製品をラインアップしている。

 こうした点について福岡氏は、「シングルアーキテクチャでミッドレンジからハイエンド、オールフラッシュまで提供できるのが当社の強み」と指摘。さらにオールフラッシュストレージでは、「大容量モジュールの提供による容量単価の半減と、とソフトウェアによる性能強化で、2014年はさらに導入促進を図る。また、他社のオールフラッシュストレージではエンタープライズレベルの可用性や信頼性がなく、実運用では使えないというお客さまの声があった。こうした点を差別化してビジネスを拡大し、2014年にはオールフラッシュ市場で1位を取りたい」と述べた。

ハイエンドとミッドレンジのアーキテクチャを統一している
オールフラッシュのストレージも同一のアーキテクチャで提供

バックアップアプライアンスはフルリフレッシュ

 また、重複排除バックアップアプライアンスのStoreOnceでは、小規模向けの「StoreOnce 2700」から、中規模向けの「同 4500」、大規模向けの「同 4700」「同 4900」、ハイエンドモデルの「同 6500」まで、すべてのレンジで製品をリフレッシュした。ハードウェアが最新サーバー「ProLiant Gen8」ベースに一新され、性能や容量が強化された。StoreOnce 2700では、全モデルに比べて使用可能容量が2倍、バックアップ性能が3.7倍に引き上げられている。

 加えて、管理機能「iLO4(HP Integrated Lights-Out 4)」を搭載し、最新の管理機能が利用可能になったほか、保存データ暗号化とデータ消去の両機能により、データセキュリティが強化されたとのこと。

 エンタープライズ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏は、競合製品と比べた場合のアドバンテージについて、「小規模環境などに適用できるソフトウェア版(StoreOnce VSA)が用意されているのはStoreOnceだけ」としたほか、大規模環境で必要とされる冗長クラスタ構成をサポートしている点を挙げ、優位性をアピールした。

 このほか、日本HPが特に強調しているのが、バックアップデータの送信元となるサーバー(ソース)側や、バックアップデータを集約するバックアップサーバー側に、重複排除処理の一部を行わせるソフトウェア「StoreOnce Catalyst」との連携だ。諏訪氏は、「ターゲットになるアプライアンスだけでなくソース側と連携した重複排除を行うことで、効率のよい処理が可能。アプライアンス側へ送られてくるデータも一回り小さくなっているので、回線を効率よく使える点もメリットだ」と話している。

 なお今回より、このStoreOnce Catalystの機能も強化され、日本オラクルのOracle Recovery Manager(RMAN)との連携に対応。Oracle Databaseからバックアップソフトを経由せず、直接バックアップを取れるようになったとのこと。

 価格は、StoreOnce 2700で126万円から。

新製品のうち、もっともエントリー向けのStoreOnce 2700
エントリーからハイエンドまで、製品をリフレッシュした

 アーカイブ向けでは、3PARなどのアレイを接続するゲートウェイ「StoreAll 8200 Gateway」と、アクセス頻度に応じて3つのモデルを用意したアプライアンス「StoreAll 8800 Storage」を用意した。

 こちらもハードウェアが一新され、ラックあたり1.6PBの拡張性を実現。また、OpenStackのオブジェクトストレージ「Swift」に対応し、クラウド環境に向けたアーカイブプラットフォームとしても利用可能になっている。

 価格は個別見積もりで、1月23日の発売を予定する。

StoreAllの新製品
エンタープライズ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 担当マネージャーの諏訪英一郎氏

石井 一志