サイバーテック、XMLデータベースの普及啓蒙を目指す「NeoCoreサミット2011」を開催


 株式会社サイバーテックは10月28日、XMLおよびXMLデータベースの普及啓蒙を目的としたイベント「NeoCoreサミット2011」を開催した。今年で4回目となる今回は、『XMLデータベースで「集める・ためる・活用する」』をメインテーマとして、情報系システムに欠かせないXMLデータベース製品だけでなく、それを支える連携製品やサービスまで幅広く紹介した。

サイバーテック 代表取締役社長の橋元賢次氏サイバーテックのビジネスモデル

 イベントではまず、サイバーテック 代表取締役社長の橋元賢次氏が、『「集める・ためる・活用する」とXMLデータベース』と題し、同社の提供するXMLデータベースエンジン「NeoCoreXMS」を中心とした「集める・ためる・活用する」の概要を説明した。「XMLデータは、集めて、ためることで、さまざまに活用することができる。たとえば、集めたXMLデータをWebやスマートフォンなどに配信したり、たまったXMLをもとに組み版をして印刷物を作成したり、マルチメディアコンテンツとしてDVDに焼いて配布するなど。その中核を担うのが、当社のXMLデータベースエンジン『NeoCoreXMS』である」と、XMLデータの格納に最適なデータベースエンジンとして「NeoCoreXMS」を展開しているという。

 「ただ、『NeoCoreXMS』は、あくまでXMLデータを集めるための箱であり、たまったXMLデータをユーザーに有効活用してもらうためには、販売パートナーとの協力体制が重要になる。そこで、当社では、『NeoCoreXMS』の販売パートナーに向けて、サードパーティ製品と連携したデータ活用ソリューションの提供やパートナー製品の開発支援、さらにはセブ島にある当社アウトソーシングセンターを利用した開発プロジェクトの低コスト化などのサポートを行っている。これらの『NeoCoreXMS』をとりまくホールプロダクトを販売パートナーに提供することで、エンドユーザーへの提案力向上、また競合との差別化を支援する」と、単なる製品提供だけでなく、販売パートナーのサポートにも力を注いでいると橋元氏は力を込める。

NoSQLとRDBの特徴JSON型とXML型の比較

 では、従来のRDBとXMLデータベースはどう使い分けるべきなのだろうか。橋元氏は、「Webに関わるシステムやドキュメントなどの非構造化データを扱うシステムには、XMLデータベースが向いている。一方、定型情報を処理する基幹系システムや数値演算が必要な統計解析システムには、RDBの方が適しており、これらのデータベースを適材適所で活用することがポイントになる」と説明する。

 また、最近注目を集めている“NoSQLデータベース”というキーワードにも触れ、「NoSQLデータベースには、大きく分けて、Key-Value Store(KVS)、列指向データベース、ドキュメント指向データベースの3種類がある。その中で、ドキュメント指向データベースに分類されるのがJSON型とXML型だ。そして、JSON型とXML型を比べると、XML型の方がデータ構造の柔軟性が非常に高いものとなっている。このほかにも、再利用性の高さや視認性の良さなどの点で優れている」と、“NoSQLデータベース”の中でのXMLデータベースの位置づけと強みを訴えた。

サイバーテック クロスメディア開発部の渡邉賢一氏XMLデータベースは情報系システムに

 続いて、「XML/XMLデータベースの基礎知識」と題して、サイバーテック クロスメディア開発部の渡邉賢一氏が、XMLデータベースの基本的な内容について解説した。まず、渡邉氏は、XMLデータベースの最適な活用法について、「従来のRDBは、レアケースや不確定部分の情報を網羅できないのに対し、XMLデータベースは、すべての情報を忠実にデータ化することができるのが特徴。そのため、データ化が難しいドキュメントを扱う情報系システムにXMLデータベースが利用されるケースが多い。とくに、データ統合の柔軟性などのメリットを生かして、XMLデータベースを情報ハブのように活用するのが最も適した使い方だ」と指摘する。

 そして、XMLデータベースの得意分野として、(1)メタデータ、(2)ユニークデータ、(3)ツリータイプデータ、(4)XMLありき、(5)構造化文書、(6)ワンソース・マルチユース--の6つを挙げる。

 メタデータは、実体データを補完するデータで、写真や図面などの実体データを分類・特定することが可能となる。ユニークデータは、種類は同じだが、その構造や項目が微妙に異なったりバラバラの形状をもつデータ。ツリータイプデータは、ツリー型の構造をもち、深い階層構造をもつデータ。XMLありきは、XMLをベースとし、業界や用途ごとにスキーマ(データ構造)が指定されたデータ。金融庁の電子開示システムや東証の適時開示情報閲覧サービスなどで活用されている。構造化文書は、文書を構造化してXMLで部品化したデータ。文書の流用や版数管理に利用される。ワンソース・マルチユースは、複数のメディアに展開する目的で、XMLデータを一元管理することができる。

XMLを格納可能な国内主要データベース製品

 また、渡邉氏は、国内における主要XMLデータベース製品の特徴を紹介し、「現在、XMLデータベースとして顧客先に提案可能な製品は、当社の『NeoCoreXMS』および『Cyber Luxeon』と、東芝ソリューションの大規模案件向け『TX1』、メディアフュージョンの『EsTerra』、富士通の『Shunsaku』に限られる。これら製品を比較すると、機能面や価格帯、開発環境も含めて、当社製品に優位性があると自負している」と、同社がXMLデータベース製品のリーディングベンダーであることを強調する。

 「『NeoCoreXMS』は、独自検索技術のDPP(Digitatl Pattern Processing)を搭載し、フルオートインデックスによる超高速検索を実現。さらに、スキーマ定義をする必要がなく、初めてのユーザーでも手軽にXMLアプリケーションが構築できるのが特徴だ。一方、『Cyber Luxeon』は、エンタープライズシステムやミッションクリティカルな業務システムに求められる、大規模対応や大量のトランザクション処理、きめ細やかなチューニングが可能な本格派XMLデータベースになっている」(渡邉氏)という。

 この後、イベントでは、「XMLデータベース 導入・提案“虎の巻”」として、ここでしか聞けないXMLデータベース提案の成功事例や失敗談、また導入企業による「NeoCoreXMS」の活用事例を紹介したほか、同社が提供するXML/XMLデータベースのホールプロダクツ&サービス、および「NeoCoreXMS」と連携するパートナー企業のプロダクツ&サービスが紹介された。


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