日本HP、IT導入効果を評価・改善する「HP IT Performance Suite」


執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏

 日本HPは29日、ITによる成果の評価・改善を支援するソリューション「HP IT Performance Suite(以下、HP ITPS)」を発表した。

 HP ITPSは、「IT運用管理」「アプリケーションライフサイクル管理(APM)」「情報管理」「セキュリティ管理」「IT財務管理」などを含む、IT管理に関するポートフォリオの新たな総称。IT全体を体系的に管理し、把握・測定・制御して、ITリーダーや担当者向けに1つの総合的なビューに集約する。これにより、ITエグゼクティブはKPIを利用しながら、ITの成果を評価して改善していけるという。

 同社の豊富なIT管理ソフト群に加え、KPIによるITマネジメントツール「HP IT Executive Scorecard」、およびコンサルティングサービスで構成される。特徴は本当に必要な50のKPIをプリセットしていることや、単なるダッシュボードではなく必要な情報を収集できる基盤も提供すること。

 同社では、従来よりビジネスの視点で最適化する「BTO/IM」ポートフォリオを展開し、「アプリケーション開発」を支援するMercury製品群、「運用」を支援するOpenView製品群などを提供してきた。今回のHP ITPSはこの取り組みの延長線上で、さらに包括的なポートフォリオに刷新したものとなり、BTO/IMに加えて、セキュリティ製品の拡充、HP IT Exective Scorecardの新投入、コンサルサービスの強化を図っている。

 執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏は新ソリューションの狙いについて、「昨今、ITの分野ではクラウドによるコスト削減ばかりが議論されている。それはもちろん重要だが、本当はITの導入によって、ユーザーが満足しているのか、ビジネスに対してどれだけの成果を生み出したのかが重要。そこをいかに可視化し改善するか。そのために新ソリューションでは、先行投資→ITの運用品質→ユーザー満足度→ITの価値、という波及効果を包括的に定点観測できるようになっている」と語る。

ITの継続的な改善を支援し、ITの品質・コストといった評価から、実際にITが生み出す成果も可視化するBTO/IMにセキュリティ管理とサービスの強化し、より包括的に
HP IT Exective Scorecardの概要。複数のデータソースから集めたメトリクスを基にKPIを算出し、一元的に表示。役割に応じてKPIを選択肢、PDCAサイクルを実行すると同時に上位管理者への説明責任を果たすような仕組みとなっている

 新たなITマネジメントツールであるHP IT Exective Scorecardでは、同社のIT管理ソフト群、および他社ソフトから多様な情報を収集し、ITの運営において重要なものをKPIとして抽出する。ITのライフサイクル全体をカバーしたデータを収集し、「ITの価値」「ユーザー満足度」「ITの運用品質」「先行投資」の4つの視点で、各責任者の役割に応じた最適なKPIに変換して提供するという。価格は100万円/ユーザー。現状、英語版のみだが、日本語版も追って投入する予定。

プリセットされたベストプラクティスKPI画面イメージ

 併せて、新たなコンサルサービスとして、HP ITPSの戦略的な活用を支援する「ストラテジック・アドバイザリ・サービス」を提供する。ここでは顧客のビジネス目標に基づき、HP IT Executive Scorecardによって示されるべき最適なKPIの項目を策定するとともに、ITによるビジネス成果の最大化に向けた改善策を提案するという。

コンサルサービスも併せて提供
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