NTT Com、マレーシア第3データセンターを建設~2012年稼働
NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、7月よりマレーシアのサイバージャヤにて、データセンター国際基準「Tier III」に拡張可能な「サイバージャヤ3データセンター」の建設を開始する。同社100%子会社のNTT MSC Sdn Bhdを通じて建設し、2012年度第1四半期(4月~6月)にサービス提供を予定する。
同社は、マレーシアの首都クアラルンプールの郊外にある総合開発地域マルチメディア・スーパーコリドーの中核都市サイバージャヤにて、2002年よりデータセンターサービスを提供している。現在、第1・第2データセンターを提供しているが、これらに加えてサーバールーム面積1700平方メートルの第3データセンターを建設する。
マレーシアは地震・津波などの自然災害の影響が小さく、電力料金が安いことから、ディザスタリカバリやオフショア拠点として注目されているという。
第3データセンターでは、柔軟に設備増設が可能なモジュラーコンセプトを採用し、建物を低層構造とすることで投資効率を高め、同社グループで定めたグローバル統一品質基準を満たすサービスを提供するという。
商用電源、空調、UPS、発電機、配電ルートなどを冗長化することで停電などの事態に備えるほか、防火・防水などの予防対策を施す予定。さらに太陽光パネルによる再生可能エネルギーの導入や断熱性の高い二重壁構造の採用、雨水の再利用など環境へ配慮した設計とし、マレーシアグリーンビルディング指標(GBI:建築ビルの環境配慮に対する評価基準)の取得を目指す。
保守体制面では、同敷地内に顧客が利用可能なオフィスビルを併設。複数言語に対応するNTT MSCの保守サポート要員も同敷地内に常駐させ、24時間365日のマネジメントを実現している。
一方、ネットワーク面では、アジア地域を結ぶ深海艇ケーブル「Asia Submarine-cable Express」の運用が2012年に予定されており、マレーシアでもNTT Comの国際IPバックボーンを利用した高速・大容量なインターネット接続や、「ArcstarグローバルIP-VPNサービス」などが、今まで以上に低遅延で信頼性の高い国際ネットワークとして利用可能になるという。