アイネット、デスクトップ仮想化でシトリックスと協業

仮想化オールインワンサービス「VAiOS」に新DaaSメニュー


 株式会社アイネットとシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は26日、デスクトップ仮想化およびクラウドソリューションの提供で協業すると発表した。

登壇したシトリックス代表取締役社長のマイケル・キング氏アイネット常務取締役 事業統括の田口勉氏

 アイネットの仮想化オールインワンソリューション「VAiOS(Virtualization All in One Services)」に、「Citrix XenDesktop/XenApp」を活用した仮想デスクトップサービスを新メニューとして追加し、6月より提供する。

 VAiOSは、各種クラウドサービスと仮想化システムの設計・構築・運用・監視を支援する「仮想化運用代行センター(VOC)」を組み合わせたオールインワンソリューション。「EASY Cloud Service」などのクラウド基盤サービスのほか、Hadoopストレージ、セキュリティ、ETL/EAI、DaaS、DR/BCPなど豊富なサービスを取りそろえ、主にプライベートクラウド環境の構築を支援する。

VAiOSサービスポートフォリオEASY Cloud Serviceの概要図

 新たな仮想デスクトップサービスとなる「VIDAAS」では、XenDesktopを軸に顧客ごとに専用環境を提供するメニューと、XenAppを軸に複数の顧客に共有環境を提供するメニューを用意。デスクトップ配信技術「FlexCast」「HDX」で、エンドポイント端末に環境デスクトップ環境を配信する。

 プリンティングにも対応するのが特長。通常、仮想デスクトップ環境では印刷がネックとなるが、VIDAASでは印刷指示を送ったファイルをPDFに変換し、Hadoopストレージサービス「Cloudstor」にプールする。ここから実際に印刷するプリンタを選択することもできるし、Cloudstorにはスマートフォン(iPhone/iPad/Androidなど)からもアクセスできるため、携帯端末を使いこなすことで「ペーパーレスプリンティング」が実現する。

 価格は、専用デスクトップサービス・シングル構成が初期費用2000円、月額費用3600円、同HA構成が初期費用3000円、月額費用5700円。共有デスクトップサービスが初期費用2000円、月額費用4000円。いずれも1GBメモリ、15GB HDD、100Mbps帯域保障が基本スペックとなる。

VIDAASの概要図プリンティングにも対応

 VAiOSではこのほか、アプリケーションスイッチ「Citrix NetScaler SDX」とも連携。同製品のオプションモジュールとして提供されている「OpenCloud」の技術をVAiOSプラットフォームに配信することで、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドをシームレスに利用できるハイブリッド環境を提供するとしている。

 活用するのは「OpenCloud Access」と「OpenCloud Bridge」という技術。前者は、一般的なSaaS、IaaSやプライベートクラウド基盤上のアプリケーション、社内Webアプリケーションなどにおいて、シングルサインオン(SSO)を実現するもの。「Citrix Receiver」と協調し、どんなデバイスからでも対応アプリケーションやデスクトップリソースにアクセスできるようになる。

 後者は、社外クラウドと社内ネットワークを透過的に統合するもの。さまざまなクラウドベースのリソースを自社ネットワークの延長として見せることで、ネットワーク、セキュリティ、アクセス制限などの設定を変更することなく、シームレスなアクセスを実現する。

 アイネットでは本協業により、在宅勤務やBCPを積極的に支援する方針。VAiOSの全国フランチャイズ・データセンターとタイアップし、災害対策を強力に支援するという。

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