アバイア、業務アプリにコミュニケーション機能を容易に統合する「Avaya ACE」
ソリューションマーケティング シニアマネージャの能地將博氏 |
日本アバイア株式会社(アバイア)は4日、ビジネスアプリケーションにリアルタイムコミュニケーション(音声・ビデオ・プレゼンス)機能を容易に統合する「Avaya ACE(Agile Communication Environment)」を発表した。
Avaya ACEは、ビジネスアプリケーションにコミュニケーション機能を統合できるソリューション。SOAをベースに、複雑なSIP/CTIプロトコルを簡略化したコミュニケーションサービス用APIを提供することで、従来のCTIをベースとした開発と比べて約2割の期間で機能統合できるという。
機能統合により、ビジネスプロセスを改善できる。ソリューションマーケティング シニアマネージャの能地將博氏によれば「BPMでビジネスプロセスを自動化しても、中には人が介在しなければフローが進まない個所がある」。Avaya ACEは、ビジネスアプリケーションとリアルタイムコミュニケーションを連携させ、業務プロセスを改善するコンセプト「CEBP(Communication Enabled Business Process)」を基に、人の介在によって生じる遅延や不確実性を排除してくれるという。
「例えば、お客さまへの対応に不備があった際に、一般的なBPM製品にはメールで担当者にアラートをあげる機能が標準で備わっているもの。しかし、緊急を要するときにメールではお客さまへの対応が間に合わなくなる可能性がある。音声・ビデオ・IMなどで直接担当者に通知できれば、迅速な事態の把握が可能となる」(能地氏)。
Avaya ACEの特徴 | CEBPに基づき、ビジネスアプリケーションとリアルタイムコミュニケーションを融合することで競合優位を確立する |
フロリダ病院の事例 |
既存ユーザーのフロリダ病院では、100種以上ある緊急用医療キットをマニュアルで毎日システムチェックする必要があり、待ち時間やミスが問題となっていたため、Avaya ACEを導入。システムがミスが検知した場合には自動音声によるアラート通知が届くようにしたことで、管理時間を約50%削減できたという。
「CEBPというコンセプトは以前より提唱されていたが、Avaya ACEではビジネスアプリケーションとリアルタイムコミュニケーションの連携を容易に実現できるのが特徴」(同氏)としている。なお、Avayaが買収したNortelエンタープライズ部門の製品が基になっている。
具体的には、パッケージアプリケーションやツールキット、開発支援サービスをパッケージソリューションとして提供する。パッケージアプリケーションとしては、ビジネスアプリケーション上で指定したイベントが発生した場合、自動的に関係者を収集し、即座に電話会議を開催する「Avaya ACE Event Response Manager」をはじめ、MicrosoftやIBMの製品、Webブラウザなどと連携する各種UCパッケージを提供する。
ツールキットとしては、SOAPおよびRESTfullをサポートする、複雑なSIP・CTIプロトコルを簡略化したWebサービスAPI「Avaya ACE Toolkit」を提供。「Avaya Aura」を導入している企業向けには、JavaベースAPIによりAvaya Auraテレフォニー機能と他アプリケーションの連携を短期間で行えるツールキット「Avaya ACE Foundation Toolkit」も提供する。
Avaya ACEに含まれるソフトウェア | Avaya Auraユーザー向けにはJavaベースAPIも提供される |
開発支援サービスとしては、ビジネスパートナーやビジネスアプリケーションベンダーの開発を支援する「開発者支援コミュニティ」や、アプリケーション開発の計画から設計、開発、テスト、運用までのサービスを提供する「アバイア・プロフェッショナル・サービス」を提供する。
価格は、1万1200ドル/サーバー。