富士通、運用中のストレージを即座にスリム化できる重複除去技術を開発


 富士通株式会社は1日、運用中のストレージを即座にスリム化するソフト技術を開発したと発表した。

 同技術は、運用中のブロックストレージを対象に、データの保存と同時に、ソフトのみで重複するデータを除去できるもの。データの重複を瞬時に発見するアルゴリズムを開発することで、特殊なハードウェアを使わずに運用中のストレージの容量をスリム化できるという。

 ポイントは、ブロックストレージの運用中のデータに対し、データの保存と同時に重複除去できる点。富士通によれば「運用中のストレージに格納されたデータの重複を除去するためには、データの保存時に重複しているかどうかを判断する必要があるが、従来の技術では困難だった。このため、運用中のデータを別のストレージに一時的にオフラインで格納し、夜間などシステムが忙しい時間に重複除去する方法がとられていた」という。

 新技術では、データを瞬時に検索するアルゴリズムを開発。書き込むデータがすでにストレージに格納されたデータと重複していないかを瞬時に判断し、新規のデータのみをストレージに書き込む。また、重複の判断とともにデータの保管場所も瞬時に検索できるようにしたことで、検索に必要な処理量を大幅に削減し、ソフトだけでデータ保存と同時に重複除去を行えるようにした。

重複検索技術

 また、同技術はブロックストレージを対象としてソフトのみで処理を行い、さまざまなOSを用いる仮想環境でも利用できるため、OSからは意識することなく既存の環境のまま利用できるのが特長という。

重複除去技術と仮想環境の関係

 富士通では、今後も開発を進め、数年以内にデータセンターなどでの実用化を目指すとしている。

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(川島 弘之)
2011/2/1 19:18