カブドットコム証券、Cisco製品で迅速な開発・サービス基盤を構築


 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は27日、カブドットコム証券株式会社へCisco製品を提供し、迅速な開発・サービス基盤を構築したと発表した。金融システム開発環境の仮想サーバー基盤として「Cisco UCS」を、超高速次世代型トレーディングサービス用のネットワーク基盤として「Cisco Nexus」を導入した。

 カブドットコム証券は、金融取引システムを自社開発し、データセンターも自社運営している。この自社開発・運用体制により、顧客へのベネフィットとリスク最小化を実現する新しいサービスを迅速に開発し、「逆指値注文」や「1秒保証」といった日本初の金融サービスを生み出している。

 一方、この金融取引システム開発環境では、従来60台以上の物理サーバーを保有し、開発案件が発生するたびに、個別に開発環境を構築するなどの手間が生じていた。「より迅速な開発環境の提供」、「仮想環境を踏まえた運用プロセスの標準化」といった課題に対し、VMware仮想環境にパフォーマンスと運用管理が最適化されたアーキテクチャを持つ「Cisco UCS」を選定。約60台の物理サーバーをブレードサーバー8台の仮想環境へ移行し、金融取引サービス基盤への将来的な仮想環境の適用を想定したテスト環境を構築した。

新しく構築した開発環境の概略図

 併せて、株取引注文の成立速度を向上したい個人投資家に向け、新サービス「kabuステーション」をリリースするカブドットコム証券は、注文処理を超高速化・低遅延し、厳しい信頼性とサービスレベルが求められる金融サービス基盤を構築するため、データセンターネットワークに「Cisco Nexus」を導入した。

 データセンタースイッチ「Cisco Nexus 7010」「同 5010」によって構成され、インターネット注文を取次処理するサーバーまでのデータ転送速度をすべて10Gビット/秒とすることで、マイクロ秒単位まで高速化されたサービス提供を実現したとする。

 さらに「Cisco Nexus 7010」に搭載された、1つのハードウェア上にいくつもの論理ネットワークを構成できる「VD(Virtual Device Context)」機能を利用することで、社内サーバー接続用のネットワークも統合しており、機器の集約による信頼性と運用効率も向上しているという。

新しく構築したデータセンターネットワークの概略図
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