オリンパス子会社、アパレルなど小売業向けの基幹業務クラウド提供へ


 オリンパスシステムズ株式会社は21日、日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)とSAPジャパン株式会社の協力の下、ファッションアパレルを中心とする小売業向け基幹システムの最新版「UVAS Core System 6 for Retail」を提供すると発表した。同システムは、SAP ERPを活用した小売業向けの基幹業務クラウドサービスで、オリンパスシステムズは同サービスの提供を通じて、国内小売企業の業務効率化や海外進出を支援する。

 オリンパスシステムズは、ファッションアパレル業界を中心に業務改革に携わり、その核となる小売業向け基幹業務アプリケーション「UVAS Core System」シリーズを中心に、これまでに約500ブランドの業務支援を行ってきた。その中で、グローバルなビジネスに対応できるシステムや、システム構築のスピードアップが要求されるようになった。

 そこで開発したのが、クラウドサービス型のUVAS Core System 6 for Retail。SAP ERPの小売業向けテンプレート、オリンパスシステムズのファッションアパレルを中心とする小売業界でのノウハウ、日本IBMのSAPソリューション構築ノウハウやアセットを融合したのが特徴で、販売在庫管理、調達管理、会計、マーチャンダイジング(MD)など、小売業に必要とされる機能を包括的に提供する。

 将来的にはBIやサプライチェーンなどの機能を追加するほか、対応業種も雑貨や家電量販店を含む小売業へ拡大していく予定。海外で同サービスを活用する顧客をサポートするための体制も構築するとしている。

 インフラには「IBMマネージド・クラウド・コンピューティング・サービス(MCCS)」内のプライベートクラウド環境を利用。CPUやメモリなどのリソースを従量課金で提供し、急な使用量増加にも動的に対応するため、顧客はビジネススピードや環境変化への対応力を向上できる。

 また、クラウド環境を通じ、国内外あらゆるところでシステムを利用できるため、グローバルでの情報共有や意思決定が可能。テンプレートやアセットを活用することでサービス構築期間の短縮や、初期導入コスト、機器設置スペースの削減が可能だとしている。

 サービス自体の提供は2011年9月からを予定し、それ以前に2月からは、同サービス導入のためのコンサルサービスを提供する。販売はSAPジャパンと日本IBMの協力の下、オリンパスシステムズが担当。クラウドサービスならではの柔軟な価格・利用体系を実現する方針。

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(川島 弘之)
2011/1/21 12:16