パナソニック電工ISがイージェネラと総代理店契約、「PAN Manager for 富士通」を販売


左から、Egenera President&CEOのPete Manca氏、パナソニック電工IS 前川一博代表取締役社長、イージェネラ 大木稔代表取締役社長

 パナソニック電工インフォメーションシステムズ株式会社(以下、パナソニック電工IS)とイージェネラ株式会社は2日、富士通ブレードサーバー「PRIMERGY BX900」向けPAN Manager Software(以下、PAN Manager for 富士通)の国内展開に関し、総代理店契約を締結した。パナソニック電工ISは今後、「Egenera BladeFrame」「Dell PAN System」ユーザーとしての経験を生かし、PAN Manager for 富士通のシステム提供から保守サポートまでトータルに提供していく。

 データセンターインフラを仮想化し、管理コストを削減するイージェネラ製PANソリューションは、Egenera BladeFrame(専用ハードウェア)とPAN Manager Softwareにより、大規模でミッションクリティカルなシステムを中心に採用されてきた。

 2008年にはPAN Manager Softwareの機能をほかのプラットフォームでも実現するため、Egeneraは「PAN Everywhere」という考えを提唱。2009年7月にDell PAN System、2010年10月にPAN Manager for 富士通を発表した。このPAN Manager for 富士通を、総代理店としてパナソニック電工ISが12月3日より国内販売を開始する。


日本最大級のユーザーとして「ユーザー視点のサービスを」

 パナソニック電工ISは、Egenera PANソリューションの販売代理店であるのと同時に、国内最大ユーザーでもある。2004年にEgenera BladeFrameを採用し、検証後の2008年7月より販売を始めた。また、2009年4月にはDell PAN Systemをアジア太平洋地域の第一号ユーザーとして採用し、Egenera BladeFrameと合わせて本格的なサーバー統合を開始している。

 ユーザーとしての経験を踏まえてPAN Manager for 富士通の提供を開始する同社。前川一博代表取締役社長は、「Egenera BladeFrameはクラスタシステムなどのハイエンド領域に展開してきたが、ブレード16枚を格納するPRIMERGY BX900を2筐体までサポートするPAN Manager for 富士通では、ミッドレンジ領域にも展開が可能となる」とPAN Manager for 富士通の狙いを説明。

 具体的な販売戦略としては、11月より展開中の次世代情報システム基盤ソリューション「Nextructure」と絡めた展開を図る。「Nextructureは、プライベートクラウド構築、サーバー統合、仮想化技術によるバックアップ・ディザスタリカバリ、ミッションクリティカル領域へのクラウド適用など、次世代に求められる情報システムの在り方や課題に挑むもので、PAN Manager for 富士通はその中核的商材として販売していく」(前川社長)という。同社は富士通製ブレードサーバーも取り扱っており、ソフト、ハード、サービスのサポートも含めた販売窓口が一本化される形だ。前川社長は「ユーザーとしてユーザー視点でのサービス提供をしていきたい」と意気込みを見せ、「ソリューション全体で、2012年度単体で10億円の売り上げを目指す」とした。

パナソニック電工ISのPAN Managerへの取り組みPAN Manager for 富士通はミッドレンジ領域をカバー



イージェネラは他社との協業も加速、「Multi-PAN」の実現目指す

 一方、Dellに続いて富士通との提携も果たしたEgeneraでは、今後もハードウェアベンダーとの協業を進めていく方針。Egenera President&CEOのPete Manca氏は「現状は、各ベンダーのプラットフォーム内で異機種混在管理が可能となっているが、今後はマルチベンダー環境でも一元管理やマイグレーションを実現させる」と「Multi-PAN」への構想を語った。

 なお、PAN Manager for 富士通では、Egenera BladeFrameやDell PAN Systemと同等の機能が提供される。対応OSは、Red Hat Enterprise Linux 5/6、SuSE Linux Enterprise Server 11/SP1、Windows Server 2008 R2。対応仮想化ソフトは、vmBuilder 2.3、VMware vSphere 4.1、Citrix XenServer 5.6。対応ストレージとしては、富士通、EMC、3PARが検証済みで、順次、NetApp、HP、日立、IBMとの検証を進める方針。

 各サーバーからNICとHBAを分離、リソース管理サーバー(cNode)に集約し、データセンターインフラ全体の仮想化を実現するPAN Manager。Manca氏のいう「Multi-PAN」が実現すれば、ハイパーバイザーによる仮想化よりも、はるかに柔軟性の高い仮想環境が実現する。Dellと富士通に続くハードウェアベンダーとの協業は、「2011年にも新たな展開を発表できるだろう」(Manca氏)とのことだ。

今後もハードウェアベンダーとの協業を進めるMulti-PAN環境の実現に向けて
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