富士通、リソースをプール化しプライベートクラウド環境の運用を支援するソフト


製品概要

 富士通株式会社は26日、プライベートクラウド環境の運用管理を支援する「クラウド インフラ マネージメント ソフトウェア V1」を販売開始すると発表した。9月3日より出荷を開始する予定。

 クラウド インフラ マネージメント ソフトウェア V1は、ICTリソースを仮想化し、利用者の要求に応じて自動的に配備する機能を備えたソフトウェア。さらに、その使用状況を見える化することも可能なため、プライベートクラウド環境の容易な構築、運用管理を支援できるという。

 富士通のプラットフォームビジネス推進本部長代理の森下健作氏は、「今年4月から7月の間の1500件のユーザーのうち、プライベートクラウドの商談状況を分析してみると、63%のユーザーがサーバー統合によるコストダウンを目的とし、11%のユーザーが仮想化によるクラウドサービスの提供によって全社を共通化したいという目的をあげている。サーバー統合や仮想化の要件においては、インフラ層の標準化、自動化が求められていることがわかった。むしろ、インフラ層に着目したコスト削減要求が高いこともわかってきた」と、現在の企業の状況を話す。

 今回の製品は、こうした企業のニーズに応えるもので、具体的には、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのリソースを集約してプール化し、これらのリソースを組み合わせた仮想プラットフォームを、テンプレートとして定義できるようにする。また、テンプレートをもとに利用者向けのサービスをカタログ化し、Webから簡単に申請できるようにすることで、オンデマンドでの容易な利用を可能にするという。

富士通のプラットフォームビジネス推進本部長代理 森下健作氏

 ICTの自動配備は、利用者の要求にあわせて、大規模、中規模、小規模といった標準化されたカテゴリーでのリソース配分や、個別にCPUやメモリを細かく設定した配備などが可能になる。

 同時に、管理者側には、CPU利用率、ストレージ使用量などのリソースの状況を見える化して提供し、効率的なリソースの運用を支援。導入についても、1サーバーライセンスからのスモールスタートと段階的な導入を可能にしており、導入のハードルを引き下げている。

 「インフラ層をプライベートクラウド化し、コストダウンを図るというニーズに応えるものになる。利用者の要求に応じて、自動的にICTリソースを配備し、さらにリソースをプール化。ダイナミックなリソース管理を行えるようになるとともに、リソースがどれぐらい使われているのかという、使用状況の見える化ができる。これにより、効率的な運用が可能になる」(森下本部長代理)。

 なお、この製品の開発にあたっては、多くの実績を持つ統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」「ServerView」の技術が採用されているとのこと。

サイロ化したシステムの段階的な最適化が可能というリソースの使用状況の確認画面
価格と利用環境

 監視できる環境は、Windows Server 2008/2003 R2とVMware vSphere 4だが、Red Hat Enterprise Linux 5、Hyper-V 2.0についても対応が予定されている。また、監視対象の物理サーバーは富士通製のx86サーバー「PRIMERGYシリーズ」が前提である。

 価格は、1サーバーライセンスで23万円(税別)から。森下本部長代理は、「クラウドインフラマネージメントソフトウェア V1の販売価格は競合他社の製品に比べても2割程度安く設定し、競争力のあるものとした。まずは導入してもらうことを狙う」と戦略的な価格設定としたことを示していた。

関連情報
(大河原 克行,石井 一志)
2010/8/26 12:26