NRI、仮想環境の障害対応や運用を自動化する「Senju Family V11」


Senju Service Automationの概要図

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)は3日、システム運用管理ツールの新版「Senju Family V11」を発売した。

 Senju Familyは、機能目的に応じた6つのサブシステム(イベント/モニタリング/コンフィグレーション/ジョブスケジュール/キャパシティ/パッケージ)で構成されたシステム運用管理ツール。

 新版では「障害対応の迅速化」と「運用の標準化・自動化」の機能を強化したのが特長。仮想環境では、情報サービスを提供している機器が物理的に特定されなくなり、障害時の原因追及が困難になる。また、仮想環境に特有の運用業務も発生するため、運用プロセスの標準化が必要となる。これらの解決が新版の狙いという。

 障害対応の迅速化では、情報サービスと物理環境の相関関係を把握できる「バーチャルノードモニタ」を新たに搭載。加えて、管理対象となる仮想サーバーの増加に対応するため、個々の対象サーバーにソフトを導入せずに管理できる「エージェント管理機能」も強化した。これにより、一度に監視できる台数が従来の倍に増えるとともに、ジョブスケジュール機能もエージェントレスで実行できるという。そのほか、仮想サーバーの「複製・移動・分割・統合」などに対応する制御機能も強化した。

 運用の標準化・自動化では、ファミリー製品として個別に提供しているシステム管理ツール「Senju Operation Conductor」と、サービスデスクツール「Senju Service Manager」の連携を強化した。具体的には、システム変更などのサービス要求の申請から承認・実行までを自動実行するプロセス「Senju Service Automation」を新たに提供する。

 Senju Service Automationは、開発担当者などからのジョブの一時停止、ランブック実行、コマンド実行などの操作要求を「受付」「承認」プロセスに回し、シームレスにSenju Operation Conductorの「ランブックオートメーション機能」を自動実行してくれる。これにより、統制の強化と運用負荷の軽減が可能になるという。

 NRIでは、2010年度に100社への導入をめざす。

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