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NTTデータグループ、2026年度上期連結決算は増収減益も、DC譲渡益の反動除く実質ベースでは営業増益を維持

 株式会社NTTデータグループは4日、2026年度上期(2026年4月~9月)連結業績を発表した。それによると、売上高は前年同期比10.9%増の2兆6168億円、営業利益は同46.4%減の1442億円、当期利益が同68.3%減の493億円となった。また、受注高は前年同期比7.1%増の2兆9448億円となっている。

2026年度第2四半期実績(対前年比増減概要)

 NTTデータグループの中山和彦社長 CEOは、「売上高は対前年比で増収となったが、営業利益は、前年実績に2025年7月にシンガポール『NTT DC REIT』へデータセンター事業を譲渡した際の利益1295億円が含まれており、その反動がある。これを除くと営業利益は46億円の増益となる。受注高は、国内の大型案件の獲得などにより増加している。また、その他セグメントでは、営業利益が前年同期比71億円減の57億円となっているが、ここにはAIビジネス創出に向けた戦略投資が含まれている」と統括した。

NTTデータグループ 代表取締役社長 CEOの中山和彦氏

国内は全分野で増収増益、データセンター事業は旺盛な需要が続く

 日本セグメントの売上高は前年同期比8.6%増の1兆243億円、営業利益は同22.7%増の988億円。受注高は同29.1%増の1兆3208億円となった。

 「日本セグメントはすべての分野で増収増益となった。また受注では、金融分野において大型案件の獲得があり、大きく増加した。期末に向けてトップラインの拡大と収益性の確保を着実に進めることで、対前年比で350億円増という2026年度通期の高い営業利益目標の達成を目指す」と述べた。

 日本セグメントの内訳は、公共・社会基盤の売上高が前年同期比10.4%増の4082億円、営業利益は同46.5%増の476億円。受注高は同10.9%増の4506億円。金融の売上高が前年同期比6.2%増の3801億円、営業利益は同21.7%増の500億円。受注高は同69.5%増の6260億円。法人の売上高は前年同期比7.8%増の3050億円、営業利益は同14.8%増の364億円。受注高は同3.0%減の1984億円となった。

 「公共・社会基盤分野では、中央府省向けの事業が好調。金融分野では、保険業界やバンキング事業などを中心に増収増益となった。法人分野では鉄道業界やエンターテインメント産業向け事業が好調であり、増収増益となった」と述べた。

日本セグメントの業績内訳

 海外セグメントでは、売上高は前年同期比12.9%増の1兆6231億円、営業利益は同77.5%減の396億円。受注高は同5.6%減の1兆6237億円となった。

 「海外セグメントは、売上高はすべてのユニットで増収。営業利益は、NTT DC REIT譲渡益の反動による減益に加えて、APACでの減益の影響があった。受注については、北米やGTSS(Global Technology and Solution Services)では、前年度の大型案件の反動があったが、EMEALでは大型案件の受注があり、大きく伸びている。一部のユニットは苦戦しているが、コストコントロールなどの取り組みにより、通期業績予想の達成を目指す」とした。

 ユニット別では、North Americaの売上高が前年同期比18.7%増の3393億円、Adjusted EBITAは同21.1%増の230億円。受注高は同16.1%減の3303億円。EMEALの売上高が前年同期比19.0%増の5993億円、Adjusted EBITAは同47.3%増の330億円。受注高は同29.3%増の6391億円。APACの売上高が前年同期比16.0%増の1997億円、Adjusted EBITAは同43.1%減の78億円。受注高は同14.2%増の2104億円。GTSSの売上高が前年同期比6.7%減の5150億円、Adjusted EBITAは同67.4%減の596億円。受注高は同31.4%減の4440億円となった。

 「North Americaでは、ネットワーク機器関連事業やITサービス事業の規模拡大により増収増益となった。EMEALでは、スペインや中南米におけるITサービス事業の規模拡大や間接部門の効率化により増収増益。APACではネットワーク機器関連事業が好調で増収となったが、ITサービス事業による既存案件の解約影響や、コンサルティング部門の強化を目指した費用増が影響して減益となっている。GTSSは、前年度のデータセンター譲渡益の反動減を除けば、実質的に増収増益となった」と振り返った。

海外セグメントの業績内訳

 データセンター事業に関しては、売上高は前年同期比54.3%増の2166億円、EBITDAが同6.0%増の794億円、営業利益が同9.5%減の191億円となった。受注高は前年同期比0.2%減の403億円となっている。また、2026年9月末時点の受注残高は3兆1134億円となり、2026年3月末に比べて863億円減少した。「受注高は、前年同期の大型案件の反動があったことが影響している。だが、顧客からの引き合いは多く、需要は堅調である」と述べた。

 データセンターへの投資実績は、2026年度上期実績で前年同期比54.3%増の2166億円となった。2026年9月時点では約1755MWを提供しており、2026年3月末から約125 MW増加した。米フェニックス、ダラス、バージニアのほか、オランダ・アムステルダムで新たにサービス提供を開始している。2027年3月時点では約2040MWにまで拡大する計画だ。

データセンター事業の投資・収支等の状況

 なお、NTTデータグループの2026年度(2026年4月~2027年3月)の連結業績見通しは据え置き、売上高は前年比3.7%増の5兆1900億円、営業利益は同3.7%減の4700億円、当期利益が同15.1%減の2250億円としている。また、受注高では、データセンター事業を除き、5兆2000億円を計画している。

 NTTデータグループでは、2026年度のデータセンターの譲渡益として700億円を計画しているが、上期時点ではそれが発生していない。「REITに対して新たなデータセンター資産を譲渡する方法と、開発型ジョイントベンチャーによりデータセンターの資産を譲渡する方法も検討している。2026年度下期の早い段階で発表したいと考えている」と語った。

 一部報道では、大阪にAnthropic向けデータセンターを建設する計画があるとされているが、それについては「ノーコメント」としたものの、「米国企業を中心に、日本において大型データセンターを建設したいという需要が高まっている。NTTデータグループのデータセンターに関わる基本方針は、クラウド型およびAI推論型をベースにしている。これを優先した上で、中には学習と推論が混ざったりすることもあるだろう。用途によって規模やレイテンシーなどの違いがあり、建設する場所も求められるスペックも異なる」と発言。

 「データセンター事業については、米国サクラメントに本社機能を置き、全世界共通仕様で、クラウド推論に強いハイパースケーラー向けに対応している。だが、日本での対応は別の扱いになる。こうした顧客のAI戦略に対して、日本でどう対応するかといったことを総合的に判断したい。データセンターの需要は堅調であり、手元資金で投資している需要を上回るペースとなっている。さらに、日本での需要も高まっている。ファイナンスの問題はますます重要になるだろう。ここに開発型ジョイントベンチャーを用いる理由がある」などとした。

「AI基盤」「サイバーセキュリティ」「脱炭素」を推進

 一方、決算説明会では、2026年度上期の事業トピックスとして、2つの取り組みを紹介した。

 ひとつめは、「企業ITの安定性・安全性を支えるサービスの高度化」で、AI-powered platformを挙げた。

 複雑化する企業IT環境を統合し、AIによる異常の予兆検知や原因分析、対処までを自動化するソリューションで、すでにダイムラー・トラックへの導入など、海外を中心に採用実績が拡大している。

 また、2026年8月に、サイバーセキュリティサービスの提供において、パロアルトネットワークスとの戦略的グローバルアライアンスを締結。「パロアルトが持つ最新セキュリティ技術と、NTTデータグループのセキュリティ人材やシステム構築、運用力を組み合わせて、セキュリティ戦略の策定から導入、脅威への対処、運用改善までを提供することになる。今後は共同開発やグローバル展開を進め、2029年度末までに10億ドルの共同ビジネスの創出を目指している」と述べた。

 さらに、セキュリティサービスとして、2026年7月から、NTTドコモビジネスとともに、フロンティアAIを活用したサイバーリスク対応サービスの提供を開始し、すでに100件以上の引き合いがあることにも言及。

 「サービス提供を開始した当初から強い引き合いがある。サイバー攻撃が増加したこの1カ月間で増えたわけではない」としながらも、「サイバーセキュリティ対策に関する相談は、現場ではかなり増えている。AIにより、攻撃者がローコストで、幅広いところに攻撃しやすい環境が整ってしまったともいえ、企業にとっては差し迫った問題となっている。防御する側がそれに対応できる陣容が整っていない状況となっており、NTTデータグループがお役に立てると考えている」とした。

企業ITの安定性・安全性を支えるサービスの高度化

 2つめは、「データ・ITで広げるサステナビリティビジネス」への取り組みである。

 「気候変動への対応が世界共通の課題となる一方、データセンターの重要性が高まっている。NTTデータグループでは、企業や産業の脱炭素化支援と、AI時代のインフラの持続可能性向上に取り組んでいる」と発言。同社の「C-Turtle」は、企業の温室効果ガス排出量を算定し、可視化するサービスとして提供。すでに、東証プライム上場企業で150社超、金融機関で50行以上に提供。これらの企業のサプライヤーや投融資先にも提供を拡大しているという。「排出量や削減実績を共有することで、社会全体の脱炭素化を後押ししている」という。

 また、海外ではENGIEとの戦略的パートナーシップを結んでおり、英国ではNTTデータグループのデータセンター向けに風力発電由来の電力供給を開始しているほか、国内では2026年7月から、ダイキン工業とAIによるサーバーの熱状態予測に基づく冷却制御の最適化を検証している。これにより、消費電力の削減を目指しているという。
さらに、2026年9月からは、次世代バイオ燃料「HVO」を活用した既存データセンターの非常用発電設備での温室効果ガス削減に向けた実証を開始しているという。

データ・ITで広げるサステナビリティビジネス

 なお、10月31日には、NTTデータが提供している「STdirectServices」において、委託先のSaaSサービス事業者が第三者による不正アクセスを受けて、個人情報が漏えいした可能性があると発表している。

 これに関して、中山社長 CEOは、「昨今では、企業を狙ったサイバー攻撃によるシステム障害や情報漏えいが相次いでいる。NTTデータグループとして、サイバーセキュリティ対策の重要性を認識しており、IT運用の高度化とともに、経営課題のひとつに位置づけている」とし、「今後の事業継続や、新たな事業者を選定する場合においても、委託先のセキュリティ対策をしっかり管理したい。今後もこうした事例が発生する可能性は十分にある。対策とともに、インシデントが発生した際の迅速な対応も重要である。また、情報漏えいした際の二次被害をいかに防ぐかということも大切である。NTTデータでは、社内に対策チームを新たに作り、対応をしている。ここで得た知見を世の中全体の防御策の強化に貢献できるようにしたい」と語った。