週刊海外テックWatch

GoogleとAWSがカスタムAIチップの提供を拡大 NVIDIA一強は崩れるか
2026年11月2日 11:22
AI向けカスタムチップを巡る動きが活発化している。もともとは自社向けに開発したASIC(特定用途向け集積回路)を外部に提供するもので、GoogleとAWSが相次いで外販することを表明した。AI処理に特化したASICは、一般的にGPUに比べて電力効率がよく、コストパフォーマンスが高いとされる。この分野では、NVIDIAのGPUが圧倒的な強みを見せているが、その牙城を脅かすのだろうか。
攻めるGoogle、TPUを他社に提供
10月27日、ラスベガスで開かれた「Oracle AI World」。Oracleは、GoogleのAI専用チップ「TPU(Tensor Processing Unit)」などを、自社のクラウド(OCI)で提供すると発表した。最新の第8世代TPUをOCIのデータセンターに導入し、必要な電力、冷却、ネットワークなどを合わせて販売する。両社は、TPUをGoogle以外のハイパースケールクラウドに提供するのは初と説明している。提供開始は2027年で、複数年をかけて拡大する予定だ。
CNBCによると、OCI担当社長のMahesh Thiagarajan氏は、TPU導入のメリットを、チップ不足が続く中で顧客の選択肢が増えることだと説明した。NVIDIAのGPUから軸足を移すのかという質問には否定で答えた。NVIDIAのチップは「最高で、最も融通がきく」ものであり、AI市場は非常に大きいと説明した。
TPUはGoogleが2013年から開発を始めたカスタムチップで、Broadcomが協力している。Googleは4月、選ばれた顧客に対してTPUを販売する、と発表していたが、買い手は広がりつつあるようだ。
10月20日のGoogleの開発者ブログでは、MetaのZongwei Zhou氏が同社内で、TPU上で動くAI推論の仕組みを本番稼働させたことを明らかにした。
TPUの販売がどれくらいの規模なのかをうかがう数字もある。Anthropicが10月26日に米証券取引委員会に提出した「S-1」(上場準備書類)によると、Googleとの契約で、2026年4月から2033年7月までに、利用量にかかわらず少なくとも約1145億ドルを支出することを約束した(TPU分の内訳は書かれていない)。