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NEC、2026年度上期連結業績は増収増益 ITサービスと社会インフラが牽引
通期業績見通しは2度目の上方修正
2026年10月29日 00:00
日本電気株式会社(以下、NEC)は28日、2026年度上期(2026年4月~9月)の連結業績を発表した。それによると、売上収益は前年同期比11.7%増の1兆7538億円、営業利益は同23.3%増の1461億円、税引前利益は同23.2%増の1421億円、Non-GAAP営業利益は同47.7%増の1882億円、当期純利益は同59.9%増の1164億円、Non-GAAP当期利益は同86.7%増の1467億円となった。
NECの雨宮邦和副社長兼CFOは、「ITサービス、社会インフラともに大幅な増収増益となった。国内ITサービスが、BluStellarの拡大および収益性改善により増益。航空宇宙・防衛、海洋システムも引き続き好調に推移した。また、2026年5月から連結した米CSGがITサービスの増収増益に貢献している」と総括。
「第2四半期だけで、想定に対して売上収益で100億円、Non-GAAP営業利益でも100億円の上振れがある。内訳は、国内ITサービスのNon-GAAP営業利益で50億円、海洋システムでは売上収益で100億円、Non-GAAP営業利益で50億円の上振れになっている」とした。
米CSGが、2025年4月1日から連結していたと仮定した場合のプロフォーマベースでは、売上収益が前年同期比6.6%増の1兆7676億円、Non-GAAP営業利益は同33.1%増の1876億円になる。
セグメント別の業績
セグメント別業績は、ITサービスの売上収益が前年同期比9.5%増の1兆3305億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から371億円増の1604億円。そのうち、国内ITサービスの売上収益が前年同期比0.8%増の1兆207億円、Non-GAAP営業利益が前年同期から202億円増の1234億円。海外ITサービスの売上収益が前年同期比53.1%増の3098億円、Non-GAAP営業利益が前年同期から169億円増の369億円となった。海外ITサービスの大幅な拡大は、米CSGの新規連結が影響したものだ。
国内ITサービスにおけるBluStellarの売上収益は前年同期比29.5%増の3583億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から164億円増の545億円。国内ITサービスにおける売上比率は、前年同期の27%から35%に拡大した。「BluStellarは、エンドトゥエンドで顧客課題を解決するシナリオビジネスが、モダナイゼーションやセキュリティを中心に順調に拡大している」という。
また、社会インフラでのBluStellarの売上収益は前年同期比1.6%増の305億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から20億円増の45億円となった。
国内ITサービスと社会インフラを合計すると、BluStellarの売上収益は前年同期比26.8%増の3888億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から184億円増の590億円となる。
国内ITサービスにおけるベース事業の売上収益は前年同期比10.0%減の6624億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から38億円増の690億円。「法人PCなどの低収益事業の終息、前年度の消防防災や自治体システム標準化特需の反動減、BluStellarへのシフトが順調に進んでいることで減収になったが、契約条件の見直しや有償化、費用削減などにより、収益性が改善し増益になった」という。
なお、第2四半期の国内ITサービスの受注状況は、大型案件や特需テーマ、低収益事業終息の影響を除いた実質ベースでは、全体で前年同期比4%増。「実質ベースの需要モメンタムは、モダナイゼーション案件を中心に引き続き堅調である。上期売上高に加え、受注残高のうち2026年度中に売上計上が見込まれる有効受注残カバー率は、前年比3%増となり、年間売上予想に対する進捗は順調である」と手応えを示した。
実質ベースの業種別受注状況は、パブリックが前年同期比5%増。通信事業者向けが好調だという。エンタープライズは同10%増。金融および流通/サービスで好調だ。アビームコンサルティングは同15%増となり、前年に続いて2桁台の大幅な成長を維持。戦略コンサルおよびソリューション事業が好調だという。その他では、同5%減となり、NECネッツエスアイが減少した。
社会インフラの売上収益は前年同期比20.3%増の3565億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から226億円増の364億円。そのうち、航空宇宙・防衛の売上収益は前年同期比19.4%増の2352億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から28億円増の265億円。海洋システムの売上収益は前年同期比80.3%増の553億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から171億円増の73億円と黒字化した。ネットワークインフラの売上収益は前年同期比3.9%減の660億円、Non-GAAP営業利益は前年同期から27億円増の26億円と、こちらも黒字転換した。
「航空宇宙・防衛は、第2四半期だけでは、売上収益が前年同期比1.1%増、Non-GAAP営業利益 はマイナス63億円の減益となっているため、やや弱めに見えているが、想定通りである。下期は上方修正するような勢いで、引き続き好調を維持している。海洋システムは、大幅な増収に加えて、前年度に発生した100億円の一過性費用の剥落により大幅な増益になった。ネットワークインフラは、前年度に実施した構造改革の効果により増益になっている」という。
通期見通しは2度目の上方修正
NECでは、2026年度(2026年4月~2027年3月)の通期業績見通しを上方修正した。売上収益が前回の見通しから2000億円増額し、前年比4.4%増の3兆7400億円、Non-GAAP営業利益は前回の見通しから300億円増額し、同15.8%増の4600億円、Non-GAAP当期利益は前回の見通しから200億円増額し、同10.8%増の3100億円とした。上方修正は2回目となる。
「足元の業績進捗および米CSGの連結化を考慮し、通期業績予想を修正した」と説明。だが、「部材不足リスクや、マクロ経済環境の不透明性を踏まえ、期初に織り込んだ売上収益で1000億円、Non-GAAP営業利益で300億円のアローワンスは維持した。中東情勢をはじめとしたリスクを織り込んでいる。部材不足については、部材確保の取り組みや顧客との価格交渉などにより上期時点での影響は軽微であり、第2四半期だけで10億円程度である。だが、依然として不透明な状況が継続しており、リスクを最小化するための対策が必要である」とした。
セグメント別業績見通しでは、CSGの新規連結を反映した海外ITサービスが売上収益で1700億円増額、Non-GAAP営業利益で250億円を増額。「将来の事業拡大に向けた一定の投資も織り込んだ」という。社会インフラでは、航空宇宙・防衛、海洋システムで、売上収益、Non-GAAP営業利益ともに上方修正した。
「2030中期経営計画」に関しては、全社財務目標(プロフォーマベース)には変更がないものの、米CSGの新規連結影響により、2030年度の海外ITサービス事業のNon-GAAP営業利益率を10%台半ばから10%台後半へと修正。成長投資余力は1兆2000億円から1兆3000億円としていたが、CSGの収益貢献を織り込み、1兆3000億円にした。
なお、BluStellarの通期見通しは据え置いており、売上収益は前年比19.1%増の8400億円、Non-GAAP営業利益は前年から410億円増の1430億円とした。そのうち、国内ITサービスの売上収益は前年比19.1%増の7600億円、Non-GAAP営業利益は前年から379億円増の1320億円。国内ITサービスにおける売上比率は35%を想定している。また、社会インフラでの売上収益は前年比19.9%増の800億円、Non-GAAP営業利益は前年から31億円増の110億円とした。
BluStellarは、国内ITサービスにおけるNon-GAAP営業利益率が2026年度上期実績で15.2%となっている。利益率は、下期に拡大する傾向が強いため、通期の17.4%に向けてリスク感がないことを強調。さらに、「2030年度の25%の目標に向けて順調な動きを見せている」と自己評価した。
AI・光海底ケーブル事業の成果とセキュリティ強化に向けた取り組み
一方、説明の中では、2026年度上期の成果として、AIおよび光海底ケーブルでの取り組みについて言及した。
AIに関しては、グローバルAI企業との協業加速と、国産AIの開発強化について触れた。
Anthropicとの協業では、2026年6月から社内利用を開始し、4カ月間で1万5000人が利用。2026年9月にはProject Glasswingに参画し、Claude Mythosを活用した社内セキュリティの高度化に取り組んだという。
また、Google Cloudとの協業では、2026年7月にGoogle AI Threat Defenseのローンチパートナーとして連携。2026年9月には、BluStellar Intelligent Managed Serviceの提供を開始し、Google CloudなどのAI技術を組み合わせて、リスク診断の高度化を図ったとした。
国産AIの開発では、新会社のNoetraに参画し、開発戦略室長をNECから派遣して共同開発をリードしている。「NECがフルスクラッチでLLMを開発してきた経験と技術力を生かし、フィジカルAIへの活用を見据えた次世代の国産AI基盤開発を推進している」と述べた。
さらに、「NECはパートナーとの協業により、NEC AI Platform Serviceの機能を継続的に拡張している。2026年11月には、自社のトークンコスト管理によって培ったノウハウを活用した『cotomi Gateway』の提供を予定している。AIの活用やエージェント化が進む中で増加するコストに対応し、用途に応じてAIを使い分けることで品質とコストの最適化を図ることができる」としている。
雨宮副社長兼CFOは、「NECは、グローバルの最先端AIと、国産AIのそれぞれの強みを取り込み、顧客の用途や要件に適したAIを提供する」と述べた。
光海底ケーブルへの取り組みでは、2026年9月に発表した世界初の商用ペタビット級光海底ケーブルシステム「Petal」について説明した。米国とフランスを結ぶ、総延長約7000kmの大西洋横断海底ケーブルであり、2029年の運用開始を予定している。
「マルチコアファイバー対応技術の採用により、1Pb/秒の大容量伝送を実現。伝送容量あたりの敷設コスト削減にも貢献できる。今後10年間で6倍に拡大すると予想されるAI時代の国際通信需要に対応するものであり、NECは、マルチコアファイバー技術を磨き、世界各地域での通信需要を取り込み、受注拡大を目指す」と述べた。
一方で、サイバーセキュリティについては、「セキュリティ事業を手掛ける企業でありながらも、インシデントを発生させてしまったことを深く反省し、おわびを申し上げる。お客さまの信頼を得られるように最優先で対応しており、管理体制の強化を図っている」と陳謝。
その上で、「AIを活用したサイバー攻撃が増加する中で、お客さまの資産をしっかりと守ることは重要な取り組みになる。NECは、先端技術の活用や、パートナー企業との連携を進め、セキュリティ事業によって、社会に貢献したい」と述べた。
なおNECは、2026年度通期のサイバーセキュリティ関連の売上収益として800億円弱を見込んでいる。










