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オムロンとNTTドコモビジネス、製造現場向け「OT/IT統合セキュリティ」の提供に向け協業
2026年10月28日 13:58
オムロン株式会社とNTTドコモビジネス株式会社は27日、製造現場のOT(Operational Technology)領域からIT領域までを統合的に守る「OT/IT統合セキュリティ」の提供に向けた協業を開始すると発表した。
オムロンとNTTドコモビジネスは、オムロンのファクトリーオートメーション(FA)システムと、NTTドコモビジネスのOT/ITセキュリティソリューションに加え、NTTグループ各社のグローバル提供体制、研究開発技術を組み合わせ、製造現場の安定稼働とサイバーセキュリティ対策の両立を支援することを目指す。
両社はサービス提供の背景として、製造業ではIoTやAIを活用した生産性向上や、予兆保全およびエネルギー利用の効率化に向け、製造現場のデータ活用が進んでいると説明する。一方で、ITネットワークと製造現場のOTネットワークの接続機会が増え、AIを悪用したサイバー攻撃をはじめ、外部からの不正アクセスやマルウェア感染など、事業継続に影響を及ぼすセキュリティリスクへの対応がより一層求められている。また、欧州ではサイバーレジリエンス法(CRA)など規制への対応が求められており、グローバルに事業を展開する製造業にとって、OTセキュリティ対策の重要性は格段に高まっているという。
オムロンとNTTドコモビジネスは、2022年10月からFA技術とITソリューションを活用した企業間データ連携の共同開発や、データスペース接続の実証実験に取り組んできた。また、2025年10月からは、オムロンのデータフローコントローラー「DX1」と、NTTドコモビジネスの多様なセキュリティ機能とネットワーク機能を統合したNaaS(Network as a Service)である「docomo business RINK」などを組み合わせ、製造現場のOTデータをクラウドやデータスペースへ安全に接続する取り組みを推進している。
また、両社はセキュリティ機能の拡充や対応設備の拡大などを通じて、製造現場におけるデータ活用を支援しており、こうした連携で培った知見と実績を基盤に、製造現場の安定稼働と安全なデータ活用を支えるOT/IT統合セキュリティの実現に向け、協業を開始する。
協業ではこれまでの両社の取り組みを発展させ、製造現場で稼働するPLCに代表されるコントローラーやセンサー、ドライブなどの入出力機器で構成されるオムロンのFAシステムと、NTTドコモビジネスの「OsecT」をはじめとするOT/ITセキュリティソリューションを組み合わせ、ITネットワークから製造現場までを一体としてとらえたセキュリティリスクの可視化から、対策の導入、監視・運用、教育までを支援するサービスの提供に向けた取り組みを進める。
オムロンが長年培ってきた製造現場に関する知見と、NTTドコモビジネスの豊富なOT/ITセキュリティソリューションを組み合わせることで、IT起点の標準的な対策にとどまらず、製造現場の運用実態に適した対策設計と運用支援をワンストップで提供することを目指す。
具体的な取り組みのうち、両社によるOT/ITセキュリティソリューションの提供では、ITネットワークからOTネットワークまでを対象とした可視化・脅威検知をはじめ、OT/IT統合セキュリティアセスメントやポリシー策定・体制構築、ITネットワークとOTネットワークの分離、セキュアリモートアクセス環境の構築、24時間365日のセキュリティ監視、制御システムセキュリティ教育、インシデント対応訓練などを通じて、OTとITの境界に生じるセキュリティの死角を低減する。
製造現場を起点に「生産性の向上とセキュリティ対策の両立」を目指し、セキュリティ機能を備えたコントローラーなどの制御機器の提供や製造現場の可視化に取り組むとともに、インシデント発生時の早期復旧を支援する。両社はこれらを組み合わせ、国内外の顧客にOT/ITセキュリティソリューションとして一体的に提案・提供する。
また、オムロンのコントローラー製品にOsecTの不正通信検知センサー機能の組み込みに向けた開発を進める。同機能をコントローラーに組み込むことで、ネットワーク機器を介したセキュリティ監視に加え、これまでネットワーク側からの把握が難しかった、製造現場のセンサーやドライブなどの入出力機器に関する構成情報も、コントローラーを介して取得・可視化できる仕組みの実現を目指す。これらの情報をMESやSCADAなど工場管理ネットワーク上のシステムで一元的に管理することで、製造現場のセキュリティ対策の強化と、現場機器の状態のより詳細な把握を目指す。
さらに、両社の販売チャネルを活用した販売体制を構築し、装置ベンダーに向けた製品セキュリティ対応や、エンドユーザーに向けた工場全体のセキュリティ対策・運用支援など、顧客の課題に応じた提供モデルを整備していく。
両社は今後、製造現場におけるセキュリティ強化とデータ活用の高度化に向け、NTTグループ各社との連携を通じて、1)NTTグループのOTセキュリティソリューションを組み合わせた提供サービスの拡大(2026年10月より順次開始)、2)NTTグループのグローバル体制を活用した海外拠点を有する顧客の支援(2026年内に検討開始)、3)NTTグループが有するセキュリティおよびトラストに関する研究開発成果を活用した製造現場の特性に適した技術実装(2027年に検討開始)――の3点を軸に、協業の取り組みの拡充を目指す。
両社は協業を、製造現場の機器から得られた価値あるデータと知見を安全に活用する「GEMBA DX」の実現に向けた重要な一歩と位置付け、中長期的な技術実装・製品化・国際展開を通じて、国内外の製造業の持続的な競争力向上に貢献していくとしている。
