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日立、生成AIと数理最適化技術で製造業の生産ライン構成を自動立案する技術を開発
2026年8月6日 13:19
株式会社日立製作所(以下、日立)とハンガリーのHUN-REN Institute for Computer Science and Control(以下、SZTAKI)は4日、製造業における安定供給と生産効率向上を両立する生産体制の構築を支援するため、需要変動や人員不足、設備故障などの変化に応じて、生産ラインの運用・改修方針の策定から、ライン構成案の導出までを一貫して自動で立案する技術を開発したと発表した。
従来、生産量を20%増やしたいといった現場の要請を数理最適化モデルで扱うパラメーターへ変換する作業は人手で行われており、双方の情報形式が異なることなどから、誤ったパラメーターが設定されることがあった。開発した技術では、生成AIの処理を「生産ラインの運用・改修方針決定」「パラメーター項目決定」「パラメーター値決定」の3段階に分割し、運用・改修方針を整理した上で、必要なパラメーターの設定項目と具体的な値を順に決めることで、自然言語で入力された現場の要請を適切なパラメーターへ自動で変換する。さらに、数理最適化技術により、工程分割や設備割り付けなどの複数のライン構成案を現場で実行可能な範囲で定量的に導く。
また、生産ラインの運用・改修方針に関する知識、方針とパラメーター設定の対応関係、パラメーター設定そのものに関する知識は、複数の部署やシステムに散在しているため、必要な情報を集めて検討に活用するまでに時間がかかることが課題となっていた。開発した技術では、製造に関する知識を集約し、生成AIが利用しやすい形に構造化した。さらに、「生産ラインの運用・改修方針決定」「パラメーター項目決定」「パラメーター値決定」の3段階の処理に対応する形で階層的に整理して、生成AIが各段階で必要な情報を効率的に参照できるようにした。これにより、分散した知識を集約・整理して活用できるため、担当者ごとの知識に依存せず、現場の要請に応じたライン構成案を迅速に導く。
技術では、生産ラインを構成するリソース(作業者や設備)の違いが、労務費・設備費などのコストや作業量にどのような影響を与えるかを知識として組み込んでいる。これにより、単に生産可能な案を示すだけでなく、コスト・生産性の観点も踏まえて複数のライン構成案を比較できる。各案の違いや選定理由が確認しやすくなり、現場でのレビューや上位層への提案を進めやすくし、最終的な意思決定の迅速化につなげられる。
バッテリー製造ラインの構成見直し業務における検証では、熟練者が検討した案と同等のライン構成品質を保ちながら、見直し業務の工数を従来の手作業と比べて最大87.3%削減できることを確認したという。
今後、日立は、製造業の顧客とのPoCや現場適用を通じて、導入効果を検証し、知識を蓄積することで、バッテリー、自動車、医薬機器、産業機械など幅広い分野への展開を目指す。また、生産ラインの運用・改修の高度化・迅速化を支援することで、製造業の競争力強化および持続可能なものづくりに貢献していく。
SZTAKIは、生産システムおよび数理最適化に関する研究知見を生かし、技術をさらに高度化するとともに、適用範囲の拡大や、最新の生成AIアプローチの適用可能性の探求に向けた研究開発を継続していく。
