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Snowflake、AIを“動かす”「エージェンティックエンタープライズ」実現に向けた最新の取り組みを説明

 Snowflake合同会社は2日、日本における事業戦略発表会を開催した。発表会では、日本市場での最新ビジネスアップデート、および6月上旬に米国サンフランシスコで開催された「Snowflake Summit 26」での最新発表を踏まえ、エージェンティックエンタープライズ実現に向けたプロダクト戦略やパートナーエコシステム戦略などを説明した。

 まず、Snowflake 社長執行役員の浮田竜路氏が登壇し、グローバルのビジネス状況について、「2026年度(2025年2月~2026年1月)のグローバルでの売上高は44億7000万ドルで、前年比30%の成長となった。直近の2027年度Q1も、前年比34%増の13億3000万ドルとなり成長が加速している。また、データとAIを活用するためのインフラを提供している点が評価され、株価についても上昇している。その中で、日本でのビジネスも好調で、APJ(アジア太平洋および日本地域)の売上高はグローバルを大きく上回る成長率で推移している」と述べた。

Snowflake 社長執行役員の浮田竜路氏

 今年6月上旬に米国で開催された「Snowflake Summit 26」には、世界から2万人以上が参集し、日本からも400人以上が参加したという。同サミットでは、今年は“新たな時代の幕開け”になるとし、AIエージェントと「人」がタッグを組んで業務を変革する「エージェンティックエンタープライズ」に注力していくことが発表された。

 浮田氏は、エージェンティックエンタープライズ実現に向けたポイントとして、「仕事の本質の変化」、「エージェントの自律化」、「企業の働き方を根本から変革」の3点を挙げ、「これからはAIを『語る時代』から『動かす時代』へと変わっていく」との考えを示した。

 「エージェンティックエンタープライズは、司令塔を担う『エージェンティック コントロール プレーン』を中核に、『エンタープライズデータ&コンテキスト』、『ソフトウェア&アプリケーション』、『AIモデル』の4つのコンポーネントで構成される。そして、エージェンティックエンタープライズを支えるのが当社の『AIデータクラウド』であり、ガバナンスの効いた単一のデータ基盤上で4つのコンポーネントを統合的に展開することができる」と、エージェンティックエンタープライズの全体像について説明した。

エージェンティックエンタープライズのための4つのコンポーネント

 「Snowflake Summit 26」で発表された各コンポーネントの新機能や機能強化ポイントについては、Snowflake 執行役員 ソリューションエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏が紹介した。

 「『AIモデル』では、xAI GrokをCortexに追加するとともに、Bring Your Own Modelを提供する。『エンタープライズデータ&コンテキスト』では、新機能として『Horizon Context』、『Cortex Sense』、『Snowflake Datastream』を提供。『エージェンティック コントロール プレーン』では、Natomaの買収によって、MCPガバナンスプラットフォームを統合。また、新機能『Agent Identity』を提供する。『ソフトウェア&アプリケーション』では、Natomaの買収で、MCPによるエージェント間連携に対応。さらに、Workday/IBMとのパートナーシップによって、HR・財務・メインフレームデータのゼロコピー連携が可能になった」という。

Snowflake 執行役員 ソリューションエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏

 また、同サミットでは、ナレッジワーカー向けパーソナルワークエージェント「Snowflake CoWork」と、開発者向けAIコーディングエージェント「Snowflake CoCo」も発表された。「Snowflake CoWork」は、あらゆるコンテキストに対応し成果を創出する、一元化されたAIワークスペースを提供。エージェントが専属のチーフとなり、情報を洞察へ、洞察をアクションへと変え、より良い意思決定と迅速な実行を支援する。

「Snowflake CoWork」の概要

 「Snowflake CoCo」は、エンドツーエンドの開発を加速する、データのためのAIコーディングエージェント。データエンジニアリングや機械学習、エージェント構築タスクをシンプルな会話に変換する。また、スタック全体にわたるエンタープライズデータやコンピュート、ガバナンス、運用セマンティクスを深く理解する。SnowflakeのRBACによるガバナンスを備えており、Snowsight、IDE、ターミナル、既存のツールやワークフローなどで幅広く利用可能となっている。

「Snowflake CoCo」の概要

 再び、Snowflakeの浮田氏が登壇し、エージェンティックエンタープライズにおけるデータ戦略について、「現在、国内の企業は、少子高齢化・労働力不足の深刻化やグローバル競争の激化など、複数の構造的な課題を同時に抱えているケースが多い。当社では、これらの課題に対し、安全で統合されたデータとAIの力で価値創出を図り、解決へと導いていく。すでに、幅広い企業でAIサービスが活用されており、Snowflakeをデータ基盤として採用している国内企業のAIサービス利用率は78.4%に達している。また、これからAI活用で差別化を図っていくためには、どんなデータをAIモデルに食わせて、より良い結果を導き出せるかがポイントになる。そのため、データ戦略の重要性はさらに高まってくると考えている」と述べた。

 パートナーエコシステムの戦略については、「国内においてデータおよびAI活用を成功させるには、パートナーとの連携が不可欠になる。当社では、国内のパートナーとの協業連携によるビジネスの割合が90%を超えており、今後もさらに信頼関係を深めながらビジネスを進めていく。また、マーケットプレイスも着実に成長しており、現在の出品数は3600以上、日本企業のデータセットも35社、110以上まで増えてきている。今後、より多くのパートナーと顧客がデータをやり取りするプラットフォームに拡大していく」とした。

日本におけるサービスパートナー

 ここで、パートナー企業を代表してNTTデータ AI事業本部 AIビジネス事業部長の渡辺麟太郎氏がゲストとして登壇。Snowflakeとの共創展開について、「当社では、データ基盤構築・データ整備に加え、業務プロセス改革、AI活用支援、CoE立ち上げ、運用定着まで、顧客の変革を一気通貫で支援してきた。今後、エージェンティックエンタープライズの実現に向けて、『Snowflake CoWork』と『Snowflake CoCo』で得た実践知をこのケイパビリティと接続し、AIを“業務で動かす”共創をさらに加速していく。具体的には、『AIを業務に組み込む』、『AIが理解できるデータにする』、『使いながら改善する』という3つのステップで、Snowflakeの価値をデータ基盤だけに閉じず、顧客の業務成果へつなげていく。そして、この共創を通じて、マーケット全体を盛り上げていきたい」と意欲を語った。

NTTデータ AI事業本部 AIビジネス事業部長の渡辺麟太郎氏

 なお、Snowflakeは、フラッグシップイベント「SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO」を、9月10日・11日の2日間、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催する予定。イベントには、Snowflake CEOのスリダール・ラマスワミ氏と、Snowflake EVP, Productのクリスチャン・クライナマン氏の来日が決定している。登録者数は1万2000人以上、セッション数は100以上、協賛パートナーは40社以上を見込んでいる。