ニュース

HPE、モダナイゼーションとAI向けデータ整備を加速する統合プライベートクラウドに向けた製品を提供

 日本ヒューレット・パッカード合同会社(以下、HPE)は3日、サーバーやストレージなどのITインフラを自社データセンターなどに設置したまま、クラウドのように利用した分だけ支払う従量課金制のサービス「HPE GreenLake」の機能拡張を発表した。これにより、企業におけるインフラのモダナイゼーションとAIに向けたデータ整備の進め方を再定義するとしている。

 HPEは、AIおよびクラウドネイティブへの対応に向けたモダナイゼーションが進む中、環境の管理、保護、拡張のあり方に見直しが求められていると説明する。HPE GreenLakeのイノベーションにより、HPEはプライベートクラウド、データ、データ保護を統合した運用モデルの実現を支援するとしている。

 第4世代の「HPE Private Cloud」は、仮想マシン(VM)とコンテナを単一プラットフォーム上で統合管理するためのKubernetesを提供し、クラウドネイティブワークロードを個別にスケールできるようにする。また、HPE Private Cloud Business Editionの顧客向けには、既存のインフラを活用しながら、VMとKubernetesを統合管理できるソフトウェアへのシームレスなアップグレードパスも提供する。

 HPE Private Cloudは、インフラ、運用、データを統合したシングルベンダーのソリューションとして、高い制御性と一貫した運用を実現し、コスト削減とリスク管理を支援する。

 さらに、ハイブリッドおよびマルチクラウドの管理、オーケストレーション、移行、自動化を通じて統合されたクラウド運用モデルの構築を目指す顧客に向けて、HPE Private Cloudは、HPE Morpheus Enterprise Softwareへのシンプルなアップグレードパスを提供する。

 新しいHPE Private Cloudシステムは、最新のHPE ProLiant Compute Gen12を基盤に構築されており、電力あたりの性能向上、ワークロード統合の高度化、HPE iLO(Integrated Lights-Out)によるセキュリティ強化を実現する。

 HPE Zerto Softwareは、VMware環境からHPE Morpheus VM Essentials上の仮想マシンへのワークロードのオンライン移行を、継続的なデータ保護を維持しながら実現する。この連携により、運用への影響を最小限に抑えながら移行を進めるとともに、エンタープライズグレードの継続的なワークロード保護を維持し、サイバーインシデント発生時には超高速かつ粒度の高い復旧を可能にする。

 さらに、Veeam Data Platform向けの新しい統合により、HPE Private Cloudのデータ保護において、エージェントレス、ホストレベル、イメージベースのバックアップを実行でき、効率性を高めるネイティブのChanged Block Tracking(CBT)やクロスプラットフォームでの復旧によるデータモビリティも可能にする。

 さらに、HPE StoreOnceをHPE Private Cloudに統合し、ニアゼロのRPO/RTOに対応したリアルタイムレプリケーションにおいて、ストレージ容量を最適化する効率的なバックアップを実現する。

 エッジおよび分散環境におけるHCI向けに、HPE SimpliVityはHPE Morpheus VM Essentialsに対応し、HPE StoreOnce Gen5システムを統合することで、レジリエンスとバックアップを強化する。StoreOnceとのネイティブ統合により、シームレスでセキュアかつストレージ効率に優れたデータバックアップを提供する。これらの機能により、運用の標準化、レジリエンスの向上、仮想化ワークロードにおけるデータ保護の簡素化を実現する。

 第4世代のHPE Private Cloudシステムは現在提供中。HPE Private Cloudにおける仮想マシンとコンテナの統合管理機能は、2026年第3四半期に提供開始予定。HPE Private CloudにおけるHPE StoreOnce、HPE Zerto Software、およびVeeam Data Platformの統合サポートは現在提供中。HPE SimpliVityへのHPE StoreOnce Gen5システムの統合は、2026年第3四半期に提供開始予定。

 また、AIやモダンワークロードを支える統合データプラットフォーム強化に向け、HPEは統合データレイヤーを拡充し、新しいネイティブファイルストレージ、スケールアウト型ブロックストレージの追加、エージェント型AIによる管理機能の拡張を通じて、AIやモダンワークロードに対応するデータ基盤を強化する。これにより、インテリジェントなデータを活用したAI向けデータパイプラインを加速するとともに、企業全体にわたるデータの管理、保護、活用のあり方を変革するとしている。

 HPE Alletra Storage MP X10000は、既存のオブジェクトストレージに加えて新たにネイティブファイルストレージを単一プラットフォーム上で提供することで、データへのアクセス方法を拡張する。

 X10000は最大16ノード、最大23PBの物理容量までスケール可能で、新たな100%データ可用性保証により、中断のないアプリケーション稼働を実現する。さらに、既存のRDMA対応S3(オブジェクトストレージ)に加え、RDMA対応のファイルストレージにも対応する。これらの機能により、トレーニング、推論、KVキャッシュといったAIパイプライン全体において、データの保存とアクセスを簡素化する。加えて、X10000 Data Protection Accelerator Nodeにより、業界最高水準の最大2.5PB/時のバックアップ取り込み性能を実現し、分析、サイバーレジリエンス、バックアップといったユースケースへの対応をさらに広げる。

 HPE Alletra Storage MP B10000は、ミッションクリティカルなワークロードにおける性能とレジリエンスの向上を実現する。新しいリアルタイムのエージェント型サポートが、ストレージの問題を自律的に検知・分析・解決し、新たに提供する「5:1のデータ削減保証」により効率を高め、容量あたりの総コスト削減に寄与する。さらに、B10000ではコントローラーノードを4ノードから6ノードへ拡張可能にすることで、最大50%の性能向上と組み込みのデュアルノード障害耐性を実現する。

 HPE Data Fabric Softwareは、ポリシーベースによるデータ配置・移動機能の新規実装により、ハイブリッド環境全体でAIワークロード向けデータの準備・管理を支援する包括的なソリューションを提供する。新たに実装した対話型インターフェイスとエージェント型AIアシスタントにより、グローバルネームスペースへの自然言語によるアクセスが可能になり、より迅速なインサイトの取得、レポート作成の自動化、意思決定の高度化を実現する。また、強化されたメタデータ統合により、可視化、分類、リネージ(データの履歴管理)が向上し、Apache Polarisなどのオープン標準への対応により、プラットフォーム全体にわたる一貫したガバナンスとコンプライアンスを支援する。

 HPE Zerto Softwareは、AIを活用した新しいデータ保護機能をシンプルなAIアシスタントを通じて提供する。また、Microsoft Defenderとの統合により、リアルタイムの脅威可視化と迅速な復旧を実現する。これらは、4月に発表した包括的なセキュリティのイノベーションを基盤としているという。

 ファイルストレージ対応のHPE Alletra Storage MP X10000は、現在提供中。16ノードのスケールアウトおよびファイル向けRDMA対応は、2026年第3四半期に提供開始予定。HPE Alletra Storage MP B10000の新リリースは、2026年第3四半期に提供開始予定。HPE Data Fabric Softwareのアップデートは、現在提供中。HPE Zerto Softwareの機能強化は、現在提供中。