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NTTドコモ、複数のAIエージェントが会議に参加し多角的に支援する「会議支援エージェントシステム」を開発
2025年11月11日 06:30
株式会社NTTドコモは10日、複数のAIエージェントが会議に参加し多角的に会議を支援する「会議支援エージェントシステム」を開発したと発表した。
「会議支援エージェントシステム」は、さまざまな役割を持つ複数のAIエージェントが人間と同じように会議に参加し、リアルタイムに情報収集や分析を行ったり、最適なタイミングで新たな提案や多面的な意見を発言したりするなどの支援を実施することで、会議の生産性や創造性の向上をサポートするシステム。
NTTドコモが独自に開発した音声コミュニケーション技術、マルチエージェント技術、代理エージェント技術の3つのエージェント技術、および会議状況のリアルタイム把握機能と社内のデータ資産を組み合わせることで、人間とエージェントがシームレスに会話し、会議内容に応じてエージェントが最適な支援を行ってくれるという。
具体的には、AIエージェントが人間と同じように会議に参加し、会議中の発言や投影資料を理解した上で、会話の文脈を読み、人間がエージェントの支援を必要とする最適なタイミングで発言するなど、EQ(こころの知能指数)の観点を取り入れた、人間中心のコミュニケーション能力を発揮する。
また、さまざまな役割を持った複数のエージェントが同時に議論に加わり、情報収集や分析の実施、新たな提案、多面的な意見の発言などにより多角的に会議を支援する。例えば、会議参加者が議論の行き詰まりを感じた際に、情報収集エージェントが社内のデータ資産から、関連情報や資料を能動的に収集して提示したり、異なる役割を持つアドバイスエージェント同士が議論して多角的で建設的なアイディアや新たな視点を提示したりすることが可能だ。
さらに、上長や専門家の考え方や知識、発言の傾向をあらかじめ代理エージェントにインプットしておくことで、上長や専門家が不在の場合でも、不在者と同じ観点からの助言や意思決定サポートを受けられるとした。こうして代理エージェントから会議中に上長や専門家の意見が提示されるため、従来は必要だった作成資料等の上長による事前のチェックや、専門家への個別相談の頻度が少なくなり、業務効率化につながるとのこと。
なお、ドコモでは、今年度中に「会議支援エージェントシステム」を社内会議に導入する予定。また、社内活用と並行してさらなる研究開発を進め、社外のパートナーとの実証実験や、同システムを利用したビジネスの展開も検討するとしている。

