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Jパワー、日立、シスコなど7社、分散型AIデータセンターの一体運用に向けた共同検討で合意

 電源開発株式会社(以下、Jパワー)、株式会社日立製作所(以下、日立)、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、株式会社ビットメディア、東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)、JR西日本光ネットワーク株式会社、名古屋鉄道株式会社の7社は22日、AI用データセンターのワークロードシフトおよび広域オール光ネットワーク(以下、広域APN)構築に関する技術実証に向けた共同検討を開始すると発表した。

 検討にあたり、基本合意書(MOU:Memorandum of Understanding)を締結し、MOU締結当事者で構成する「広域APN・ワークロードシフト イノベーション推進協議会」を設立した。

 検討では、地方分散型のデータセンターを電力システムの安定化・効率化に貢献する強みとして生かし、新たな運用モデルの確立を目指す。具体的には、Jパワーグループ、JR 各社および私鉄各社などの鉄道事業者が保有する未使用の光ファイバー回線(ダークファイバー)を用いて、全国を縦断するセキュアな自営APN網を構築する。さらに、ワークロードシフト技術を組み合わせることで、分散立地する複数のAIデータセンターを連携・協調運用し、あたかも一つの大規模データセンターのように運用することを目指す。

 この社会実装を通じて、電力と情報通信インフラを一体的に高度化する「ワット・ビット連携」政策の実現に貢献し、電力システムの安定化・効率化、地方分散型デジタルインフラの一体的形成の促進、さらには地域共生の推進を図るとしている。

 データセンターにおける計算需要および電力需要は急速に拡大しており、電力システムへの影響も大きくなっている。また、脱炭素化の進展により太陽光や風力等の自然変動電源の導入が進む中、特定の地域や時間帯において出力抑制が発生するケースも増加している。

 こうした課題に対し、データセンターを首都圏の特定地域に集中させず、地方を含む複数地域に分散配置し、APNにより仮想的に統合し、電力需給状況などに応じて計算需要を柔軟に制御することで、電力システムの安定化と効率化を実現する分散型データセンターの運用モデルの確立が求められている。その実現にあたっては、APNの低消費電力・低遅延・大容量通信という特性を活用し、分散立地に伴う通信性能・品質上の課題を解消することが重要となる。

 検討では、各社の知見や技術、ノウハウなどの強みを掛け合わせることで、自営光ファイバーを相互接続し、セキュアかつ高信頼性のクローズドな広域APNを構築する。その構築にあたっては、JR各社および私鉄各社などの鉄道事業者が全国に保有する光ファイバー回線のうち、未使用または余剰となっている回線も活用し、全国規模で高信頼な通信基盤の実現を図る。合わせて、複数のデータセンター間における高度なワークロードシフトの検討を進めていく。

データセンター間のワークロードシフト(イメージ)
自営光ファイバーによる広域APN(イメージ)

 ワークロードシフトに関する技術検証では、地方を含む複数地域に分散立地するデータセンター群を、論理的・模擬的に構成した環境を用いて検証を行う。具体的には、再生可能エネルギーの発電状況、電力市場価格、気候状況および出力抑制の発生状況などをシグナルとするワークロードシフトの検証、ならびにデータセンター間連携に関わる制御・運用手法の実現性について、重点的に検証する。

 広域APNに関する技術検証では、地方を含む複数地域に分散立地するデータセンター群の論理的・模擬的な一体運用(仮想化)を実現するため、広域APNを用いてデータセンター間を相互に接続・連携する。これにより、分散型データセンター運用に必要な通信性能(遅延時間など)、および伝送品質などの要件を検証する。