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フォーティネット、AIインフラの保護を目的とした「Secure AI Data Centerソリューション」を発表
2025年11月20日 08:30
米Fortinet(以下、フォーティネット)は現地時間5日、AIインフラの保護を目的としたエンドツーエンドのフレームワーク「Secure AI Data Centerソリューション」を発表した。ソリューションは、データセンターのインフラからアプリケーション、大規模言語モデル(LLM)まで、AIスタック全体を保護するように設計されており、超低遅延かつ高度なAI脅威防御性能を備え、従来のアプローチと比較して消費電力を平均69%削減するとしている。
さらに、この発表に合わせて、フォーティネットはAIワークロードに求められる電力効率、スループット、拡張性を備えたデータセンター向け高性能ファイアウォール「FortiGate 3800G」を発表した。同社のデータセンター向けファイアウォールポートフォリオの最新製品となる3800Gは、NP7およびSP5 ASICと400GbE接続を搭載し、Secure AI Data Centerフレームワークの構成要素として、膨大なデータやトラフィック、超巨大なインフラを運用する大規模データセンター(以下、ハイパースケール)環境下で極めて高い処理能力とエネルギー効率を発揮し、GPUクラスタをリアルタイムで保護する。
Secure AI Data Centerソリューションは、ネットワークのセグメンテーションや暗号化されたトラフィックの監視/分析から、アプリケーションやモデルレベルの防御まで、AIのワークフロー全体を包括的に保護する。フレームワークには、あらゆるレイヤーにセキュリティが組み込まれ、顧客が高密度GPU環境に求めるパフォーマンスを堅持しながら、データ漏えいを防ぎ、悪意のある入力を遮断するとともに、頻繁に更新、厳格化されるさまざまなAIコンプライアンス基準を常に満たせるよう支援する。
ハイパースケール環境に適した超高速スループットを発揮しつつ、同時にギガビットあたりのエネルギーコストを削減してデータセンターの持続性を高めることで、パフォーマンスを犠牲にすることなくAIインフラへの支出を低減できる。
ASIC搭載による高いパフォーマンスと400GbE接続により、大規模なGPUクラスターとAIワークロードをリアルタイムで保護し、フォーティネットのハイエンドデータセンターファイアウォールポートフォリオ全体でセキュリティとコスト効率の両方を最適化する。
あらゆるモデルトラフィックを駆使して、ローカル/ハイブリッド/パブリッククラウドの全環境を横断する入出力トラフィックに対し、不正、不審、異常なふるまいなどを監視・制御するガードレールを適用することで、プロンプトインジェクション、データ漏えい、悪用などからLLMを保護する。
ファイアウォール、アプリケーションセキュリティ、AIランタイム保護を単一の管理コンソールに統合することで、コンプライアンスを簡素化するとともに、監査に要する時間を短縮し、オペレーションの複雑さを軽減する。
AIモデルに到達する前にすべてのトラフィックを精査して無害化する多層防御により、コードインジェクション、改ざん、データ窃取の試みを遮断する。
さらに、量子技術を悪用する脅威に備え、耐量子暗号(PQC)と量子鍵配送(QKD)を組み込むことで、AIデータの機密性とコンプライアンスを将来にわたって保護する。
これらの機能を組み合わせることで、Secure AI Data Centerソリューションは、GPUクラスター、AIワークロード、データパイプラインのすべてのセキュリティを統一的に確保するアプローチを提供すると説明。ゼロトラストのセグメンテーションを適用し、国際標準に準拠したコンプライアンスを維持しながら、確実な連続稼働を実現し、24時間365日無停止が要求されるオペレーションを支えるとしている。