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Salesforce、AIエージェントが会話を通じて顧客の商品発見から購入完了までを支援する「コマース向けAgentforce」を国内提供開始
2025年11月19日 12:07
株式会社セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は18日、AIエージェントとの自然な会話を通じて、顧客の商品発見から購入完了までを支援する新機能「コマース向けAgentforce」の国内提供開始を発表した。
Salesforceは、同社が発表した最新レポートで、日本の消費財業界では需要の変化や価格競争の激化などにより、45%の企業が利益を伴う成長の実現が難しいと回答していることを紹介。一方で、約9割の業界リーダーがAIエージェントを今後2年以内に競争に不可欠な存在と捉え、94%が売上拡大効果を見込むなど、AIを中核とした変革への期待が高まっており、こうした市場環境の中で、企業は「どのチャネルでも一貫した購買体験を提供すること」と「効率的な顧客動線の構築」という課題に直面しているという。
こうした課題を解決するために、Salesforceは自律型AIエージェントプラットフォーム「Agentforce」をコマース領域へ拡張し、その第一弾として「Guided Shopping for B2C Storefronts」の提供を開始する。Salesforceプラットフォーム上でネイティブに動作するAIエージェントが、顧客の目的や好みに合わせた商品提案を自動化し、パーソナライズされた購買体験を実現する。
Guided Shopping for B2C Storefrontsは、B2C Commerce上で動作するAIエージェントで、顧客との自然な会話を通じて、商品発見から購入完了までのプロセスをサポートする。
AIエージェントが顧客の要望や質問を理解して、最適な商品を提案し、チャット形式で商品の比較や詳細確認を行い、購入完了までをサポートする。顧客はページを離れることなく、チャット内で商品選定から購入まで完結できる。
会話の中で得られた情報(好み・用途・サイズなど)をもとに、AIエージェントが検索結果やレコメンドをリアルタイムで最適化することで、「何を探しているかわからない顧客」でも、自分に合った商品を簡単に見つけられるようにする。
Apple PayやGoogle Pay(Adyen経由)に対応し、チャットを離れずに決済もできる。返品や配送などの問い合わせにもAIエージェントが即座に回答し、購入時の不安を解消する。
B2C Commerce Storefrontsだけでなく、モバイルアプリやWebメッセージングにも展開が可能。多言語対応機能により、グローバルブランドも各市場の購買体験を最適化できる。
Guided Shopping for B2C Storefrontsの導入により、企業はAIエージェントによるオンライン接客を自動化し、顧客が自然な会話の中で商品を発見・比較・購入できるようになる。これにより、購買率や平均注文額の向上、サポート業務の効率化、そして何よりチャネルを問わない一貫した購買体験の提供を可能にする。また、既存のSalesforce B2C Commerce環境に設定を追加するだけで導入できるため、短期間での展開も容易に行えるとしている。
Salesforceは、2024年10月にサービス向けAgentforce、2025年3月にマーケティング向けAgentforce、2025年4月にセールス向けAgentforceの国内提供を発表し、デジタル労働力を生み出すAIエージェントの提供を継続しており、今後もパートナー企業と協力しながら、AIエージェントの円滑な導入と顧客の成功を支援していくとしている。