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SAPとSnowflakeが協業、SAP Business Data Cloudの顧客向けに「SAP Snowflake」を提供
2025年11月7日 10:00
SAPとSnowflakeは4日、SnowflakeのAIデータクラウドとSAP Business Data Cloud(SAP BDC)を、組織がセマンティックリッチなデータとともに活用できるようにする新たな協業を発表した。
協業により、SnowflakeのData & AIプラットフォームが、SAP BDCの顧客向けにSAPソリューション拡張製品「SAP Snowflake solution extension for SAP Business Data Cloud(SAP Snowflake)」として提供される。
SAP Snowflakeは、ミッションクリティカルなビジネスプロセスとセマンティックリッチなデータにおけるSAPの深い専門知識と、Snowflakeの統合プラットフォームが持つAI・機械学習ソリューション構築の強みを融合する。さらにSAPとSnowflakeは、SAP BDCとSnowflake間でのゼロコピー共有を実現し、顧客がより高度なデータインサイトを取得して、エンタープライズグレードのインテリジェントアプリケーションを構築し、AIによるイノベーションを通じてビジネス変革を加速できるよう支援する。
また、SAP Snowflakeは、SnowflakeをSAP BDCおよびビジネスデータファブリックのオープンデータエコシステムに統合し、より高いオープン性と選択肢を提供する。これにより、SAP BDCはSnowflakeが持つAI、アナリティクス、データエンジニアリング、マーケットプレイス、コラボレーション機能によって拡張される。
顧客は、SAP Snowflakeを活用することで、SAP BDCをクラウドスケールのコンピュートおよびストレージオプションとして利用し、自社データの価値をさらに高められる。双方向かつゼロコピーでのデータアクセスを活用することで、データチームやAIチームは、統合されたガバナンスフレームワークのもと、セマンティックリッチなSAPデータプロダクトをリアルタイムで活用できる。その結果、SAPデータと非SAPデータを統合的に活用し、ワークロード全体の総所有コスト(TCO)を最適化するとともに、信頼性の高いSAPデータプロダクトを基盤に、SAP Snowflake上でエージェントやAIアプリケーションを構築できるようになるとしている。
SAP Snowflakeを使用することで、顧客は信頼できるAI対応のデータ基盤を構築して、SAPデータと非SAPデータを調和・統合されたビジネスデータファブリックを使用してデータランドスケープを統一し、企業全体のすべてのデータエンジニアリング、分析、AI、機械学習ワークフローにおいて、よりシームレスなゼロコピー共有、強化されたモデリング、ビジネスに対応した完全なデータビューをリアルタイムで実現する。
AIガバナンスを簡素化し、組織の知識にAIを組み込んで、カスタマイズされたエージェントを構築することで、企業全体でより安全でコンテキストリッチかつインテリジェントなアプリケーションを実現できる。
また、イノベーションと生産のペースを加速する、セマンティックリッチで信頼できるデータ製品を活用した、調和がとれ、民主化されたデータ基盤を使用して、インテリジェントアプリケーションをより迅速に構築、展開し、継続的に最適化できるとしている。
このパートナーシップには、SAP Snowflakeに加え、Snowflakeとの双方向かつゼロコピーのデータ共有を可能にするSAP Business Data Cloud Connect for Snowflakeも含まれる。すでにSnowflakeを利用している企業は、SAP BDC Connectを活用して既存のSnowflakeインスタンスをSAP Business Data Cloudと統合し、よりシームレスでゼロコピーのアクセスを実現できる。これにより、SnowflakeユーザーはセマンティックリッチなSAPデータ製品に、重複なくリアルタイムでアクセスできるようになる。
SAP Snowflakeは2026年第1四半期に、SAP BDC Connect for Snowflakeは2026年上半期にそれぞれ一般提供される予定。
