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ダイキン、データセンター向け液体冷却システムを手がける米チルダインを買収

 ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)は5日、子会社のDaikin Applied Americas(以下、DAA)が米国時間4日、AIデータセンター向けに負圧式液体冷却システムで実績を持つ米Chilldyne(以下、チルダイン)を買収したと発表した。

 今回の買収は、DAAのデータセンター向けソリューション製品群を補完し、持続可能で高効率な冷却技術を提供する取り組みをさらに強化するものだと説明。安定稼働が求められるハイパースケールおよびAIデータセンターに対して信頼性の高い包括的な冷却ソリューションを提供するという、ダイキンのミッションを後押しするとしている。

 チルダインが特許取得済みの冷却水分配装置(CDU)技術は、負圧システムの採用によりサーバールーム内での冷却液漏れのリスクを低減しつつ、チップレベルの冷却を実現する。同システムは、冷却液がコールドプレートを介してサーバーから安全かつ効率的に熱を直接除去して最新のGPUサーバーを安定して稼働させ、液漏れを防ぐことで、冷却システムの設置・運転コストの削減や顧客の資産であるサーバーの保護に寄与するとしている。

 さらに、チルダインのソリューションは、設置の簡素化、冷却システムコストおよびデータセンターの稼働停止リスクの低減、エネルギー効率の向上など、AI向けデータセンターなどのデータ集約型環境に多くの利点をもたらすとしている。

 ダイキンでは、DAAによるチルダインの買収は、ハイパースケールおよびAIデータセンター向け冷却ソリューションの包括的エコシステムの提供を目指す、ダイキンの戦略において重要な一歩になると説明。8月にDAAが買収したDDC Solutionsのモジュラー高密度冷却キャビネットと、チルダインの液体冷却システムの組み合わせは、高密度ラック環境向けの効率的かつ信頼性の高い冷却ソリューションの提供を可能にし、両社のシームレスな統合はDAAのデータセンター向けソリューションの中核になるとしている。