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ダイキン、AIデータセンターの冷却システムを手がける米Dynamic Data Centers Solutions社の買収に基本合意

 ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)は6日、100%子会社の米ダイキンアプライドアメリカズ(以下、DAA)を通じて、AIデータセンターの冷却システムに強みを持つ米Dynamic Data Centers Solutions(以下、DDCS)を買収することに基本合意したと発表した。

 DDCSは、AIデータセンター向けに冷却技術を提供する企業で、この買収はダイキンがAIデータセンター向けソリューションに本格参入し、データセンター市場での競争力を高め、事業拡大の新たな道を開くものだとしている。

 ダイキンは、現在は大手IT企業がAI専用のデータセンターを郊外に建設しているが、今後は多くの企業がAIを業務やサービスに組み込むため、汎用の推論型AIデータセンターを都市部に置く動きが進み、限られたスペースでの効率的な冷却システムの需要は高まる見込みだと説明する。

 DDCSは、サーバーラック単位の個別空調で独自の冷却技術を持ち、データの処理量が増えることによるサーバーや周辺機器の電力消費量の増加と発熱の課題を効率的に解決する。また、同社独自の設備マネジメントシステムでは、ラック単位で変動する消費電力と発熱量をリアルタイムで解析し自動制御するほか、運転データを学習した最適制御を行い、データセンターの省エネに必要なトータルソリューションを提供している。

 ダイキンは今回の買収により、DAAが以前から強みとしている業務用大型空調機器や計装・制御などを組み合わせてデータセンター内の空間を冷却する方式に加えて、DDCSが持つサーバーの個別冷却技術を取り込み、データセンターで求められるトータルなニーズに対応し、顧客の課題解決に貢献すると説明。今後、北米市場を皮切りにグローバルな事業展開を加速し、AIデータセンター市場におけるリーダーシップを確立することを目指すとしている。

 買収は今後、必要な手続きを経た上で2025年8月下旬に完了する予定。また、クロージング完了次第、改めて買収のねらいや今後の展開などの詳細について発表する予定としている。