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ヤマハ、100/25Gbps対応スイッチ4製品を12月に発売 オールヤマハ構成による大規模な企業ネットワークの構築に対応

BGP4+を標準機能として提供、ProAV市場向けの機能強化も実施

 ヤマハ株式会社は22日、100Gigabit Ethernet(100GbE)/25Gigabit Ethernet(25GbE)対応ネットワークスイッチ4製品を発表した。インテリジェントレイヤ2(L2)スイッチ「SWX2320-30MC」と、そのPoE給電対応モデル「SWX2322P-30MC」、スタンダードレイヤ3(L3)スイッチのRJ45多ポートモデル「SWX3220-30MC」、SFP+の多ポートモデル「SWX3220-30TCs」で、いずれも12月より販売開始する。

 発表された製品はいずれも、10Gigabit Ethernet(10GbE)×24ポート、25GbE(SFP28)×4スロット、100GbE(QSFP28)×2スロットの構成(詳細は後述)で、Cat6A LANケーブルやSFP+による10Gbps通信に加え、上位スイッチとのアップリンク接続には光ファイバーを用いた25Gbps通信を、スタック構成機器間ではQSFP28による100Gbps通信を実現する。

 このため、アクセス層からコア層まで一貫した高速・大容量ネットワークが構築可能となっており、映像・音声・制御データなど、リアルタイム性が求められる環境でも安定した通信を提供できることから、ヤマハでは、企業の基幹ネットワークや放送設備、教育施設の配信ネットワークなど、高帯域・高信頼性が求められる現場での利用に適していると、新製品をアピールしている。

企業ネットワーク(LAN)での利用イメージ

 管理面では、ヤマハのクラウド型ネットワーク管理サービス「YNO(Yamaha Network Organizer)」に対応しており、ルーターや無線LANアクセスポイントを含む複数のネットワーク機器の一元管理が可能になった。GUI Forwarder機能により、YNO経由で拠点に設置された機器のGUIに直接ログインでき、「LANマップ」と併用することで、LAN側のネットワーク構成を視覚的に確認できる。

 今後は、既存のインテリジェントL2、ライトL3、スタンダードL3スイッチシリーズも、対応ファームウェアへの更新により、YNOへの対応を予定するとのこと。

 さらに、スタンダードL3スイッチ「SWX3220-30MC」「SWX3220-30TCs」では、ダイナミックルーティングプロトコル「BGP4+(Border Gateway Protocol 4+)」を標準機能としてサポートした。これにより、異なる自律システム(AS:Autonomous System)間での経路情報交換が可能となり、より柔軟で高度なルーティング設計を行えるという。

 なお今回の新製品では、前述のように、企業ネットワークでの利用に加えて放送設備などのProAV市場での利用も想定している。このため、同市場向けのプロファイル設定機能を強化し、SMPTE ST 2110、IPMXに対応した新しいプロファイルを追加したほか、GUIベースでのプロファイル選択機能を搭載。さらに、本体背面に搭載されたディップスイッチでもプロファイルの設定を行えるようにしている。

 加えて、音声・映像メディアなどの同期再生に必要となる高精度な時刻同期規格「IEEE 1588 PTPv2 TC(Transparent Clock)」、「IEEE 1588 PTPv2 BC(Boundary Clock)」(スタンダードL3スイッチのみ)をサポートした。

ProAV市場(放送設備)での利用イメージ

 詳細なポート構成と価格は、以下の通り。

 インテリジェントL2スイッチ「SWX2320-30MC」は、10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TXに対応したRJ45ポート×24、SFP28(25GbE)スロット×4、QSFP28(100GbE)スロット×2を搭載し、価格は115万5000円(税込、以下すべて同じ)。

 「SWX2322P-30MC」は「SWX2320-30MC」と同様のポート構成だが、RJ45ポートがすべてPoE++給電に対応しており、1ポートあたり最大90W、スイッチ全体では最大720Wの電力を供給できる。このため、広帯域かつ高い給電能力を要求するWi-Fi 7アクセスポイントを収容するスイッチとして利用可能とのこと。価格は137万5000円。

 スタンダードL3スイッチの「SWX3220-30MC」は、10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TXに対応したRJ45ポート×24、SFP28(25GbE)スロット×4、QSFP28(100GbE)スロット×2を搭載し、価格は137万5000円。

 同じくスタンダードL3スイッチの「SWX3220-30TCs」は、光ファイバーを多数収容できるモデル。10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TXに対応したRJ45ポート×4に加えて、SFP+(10GbE)スロット×20、SFP28(25GbE)スロット×4、QSFP28(100GbE)スロット×2を搭載し、価格は115万5000円。

 なお、スタンダードL3スイッチの2製品については、オプションでホットスワップに対応した冗長電源を追加できる。