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Denodo、運用型AIの基盤を強化する機能などを追加した「Denodo Platform 9.3」をリリース

 Denodo Technologies株式会社(以下、Denodo)は19日、データ管理プラットフォームの新版「Denodo Platform 9.3」をリリースした。

 Denodo Platform 9.3では、AIが変化し続ける業務運用環境に適応して学習・判断するためのデータ基盤を整えるため、運用型AIの基盤を強化する機能などを追加した。

 マテリアライズドビューやデータキャッシュがスキーマの進化に対応できるようになったため、開発者はより高いアジリティでデータ製品の変更管理を行い、AIアプリケーションに必要なデータをより効果的に提供できるようになった。これは、AIエージェントやアプリケーションが高速に反復処理を繰り返し、その基盤となるスキーマやメタデータが常に変化する動的な環境において重要だとしている。また、この機能により、データレイクハウスへの増分更新を加速させ、レイクハウス内のデータを常にAI対応に適した状態に保てる。

 新たな動的アクセス制御機能は、データにアクセスしている最中でも、データアクセスポリシーをオンデマンドで参照できるようになるため、プライバシーやセキュリティ要件が頻繁に変化する動的な運用重視の環境において、俊敏性が向上する。

 Denodo Platformが重視する「関連するビジネスメタデータによるAIの強化」に沿って、Denodo Assistantはビジネスコンテキストを特定するメタデータタグや属性を自動生成できるようになった。さらに、最新リリースでは、ベクトルデータベース(PGVector)内のメタデータ埋め込みを自動生成および更新できるようになった。これにより、データをAI対応にするために必要なビジネスコンテキストを迅速に追加できるようになり、進化するビジネスコンテキストに対しても、より迅速に対応を繰り返すことができる。

 Databricksレイクハウス中心のデータアーキテクチャを持つ組織向けには、Databricks Unityで管理されるIcebergテーブルへの書き戻しを可能にした。これにより、動的なDatabricks環境におけるパフォーマンスが最適化され、AIエージェントやその他のAIアプリケーションを構築できるようになる。Denodo Platform 9.2で導入されたビジネスユーザー向けセルフサービス型のDenodoデータマーケットプレイスと組み合わせることで、Denodoは人とAIアプリケーションの両方に対し、リアルタイムかつビジネスコンテキストに即したニーズを満たすエンタープライズデータ基盤を提供するとしている。

 また、Denodoでは、7月に発表したマルチエージェントによるディープリサーチ機能の「Denodo DeepQuery」を、GitHub上で一般提供開始した。DeepQueryを活用することで、AI開発者は解約の原因を明らかにしたり、顧客ロイヤルティの主要な要因を特定したりするなど、自由形式の質問に基づき、複雑で多段階のコンテキストを考慮したクエリを実行できる。これにより、通常であれば熟練のデータアナリストが数日かけて生成するようなリアルタイムのインサイトを、数分で得られるとしている。

 DeepQueryは、AIおよび開発者コミュニティに対して、Denodoのディープリサーチ機能をオープンソースとして提供する。DenodoのセマンティックレイヤーとAI SDKを基盤として、DeepQueryは必要なデータを動的に判別して、リアルタイムでビューを取得し、さらに複雑な検索および推論のワークフローを調整する。