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デル・テクノロジーズ、AI活用による効率向上など「Dell PowerMax」の機能強化を発表
2024年10月25日 08:30
米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は現地時間22日、ストレージソリューション「Dell PowerMax」の機能強化を発表した。
今回の機能強化では、AI活用による効率向上、サイバーレジリエンスの強化、マルチクラウド環境のシームレスなモビリティーを実現。顧客は、変化するビジネスニーズに、これまで以上に簡単に対応できるとしている。
AIの活用では、AIを活用したパターン認識と予測分析による動的なキャッシュ最適化でパフォーマンスを高め、管理オーバーヘッドなしにレイテンシーを減らしながら高速化を実現する。
また、インテリジェントなしきい値設定による自律的ヘルスチェック機能が、是正措置と自己修復機能を提供し、ストレージの容量レベルやケーブルの緩みなどの問題が発生する前に対処することを可能にする。
自動ネットワークファブリックパフォーマンス最適化(FPIN)として、PowerMaxがファイバーチャネル(FC)ネットワークの輻輳(ふくそう:低速ドレイン)を迅速に認識して根本的な原因を分離することで、インシデントの解決速度を最大8倍高速化する。また、生成AI自然言語クエリ(NLQ)を実装したデル・テクノロジーズの「Dell AIOps Assistant」によって、迅速かつ簡単にインフラストラクチャーを最適化できる。
効率の向上では、最新版では92%のRAID効率(RAID 6 24+2)によって、全体的なストレージ効率とともに、電力および環境監視機能を向上している。さらに、顧客はアレイ、ラック、データセンターの3つのレベルで電力使用を追跡できるようになった。これにより、電力効率を高め、電力の使用に伴う諸費用を管理し、消費電力を効果的に削減できる。
サイバーレジリエンスの強化では、デル・テクノロジーズの新しいプロフェッショナル サービス「Cyber Recovery Services for PowerMax」で、サイバー攻撃に対する堅牢な保護を実現する。顧客に合わせてカスタマイズして提供されるこのサービスは、安全なPowerMaxボールトと詳細レベルのデータ保護によって、迅速かつ効率的な回復を実現しながら、顧客の厳格なコンプライアンス目標達成を支援する。さらに、YubiKey多要素認証により、不正アクセスからの保護を強化しながらユーザー認証プロセスを簡素化する。
また、PowerMaxは、これまでと変わらず大規模環境におけるハイパフォーマンスの水準を設定する存在として、現在のニーズだけでなく将来のニーズも満たすことができるよう、余裕をもたせたパフォーマンスを提供すると説明。
今回の機能強化では、「Dell PowerMax 8500」では最大30%のIOPSパフォーマンス向上。新しい100ギガビットイーサネット(GbE)I/Oモジュールにより、最大3倍高速なGbE接続を実現し、新しい64ギガビットFibre Channel(FC) I/Oモジュールにより、最大2倍高速なFC接続を実現する。
これらの機能強化に加え、「Storage Direct Protection for Dell PowerMax」と「Dell PowerProtect」が統合されたことで、効率的かつ安全な超高速データ保護が可能になり、1日あたり最大1PBのバックアップ、500TBのリストアを実現する。
マルチクラウドへの対応では、クラウドストレージ「Dell APEX Block Storage」との間でPowerMaxのライブワークロードを移動させながら、同時にマルチホップOS変換を実行できる、シンプルなオプションを提供する。これにより、1回のスムーズなプロセスでこれらのワークロードのモダナイズを可能にする。
「Storage Direct Protection for Dell PowerMax」のシンプルかつ安全で効率的なデータ保護環境により、顧客は最適なバックアップ先を選択できる。AWSやAzure、GCP、Alibabaといった大手クラウドプロバイダーとシームレスに統合する「Dell APEX Protection Storage」により、顧客は特定のベンダーに依存することなく、自社のニーズに最適なクラウドベンダーを選択できる。
「Dell APEX Subscriptions」では、顧客は従量制で使用した分だけ料金を支払い、課金や請求処理、使用容量の監視を簡素化することで、予測とスケーリングを向上させられる。このモデルは、導入初期の大規模な設備投資の必要がなく、ライフサイクル管理を簡素化しながら最先端のクラウド活用体験を提供する。
メインフレームに向けては、「PowerMax OS 10.2」は、不均衡なメインフレームワークロードのIOPSパフォーマンスを高めながらレイテンシーを削減し、自動学習アクセスパターン検出によって、メインフレームへのサイバー不正アクセス検知(zCID)を強化するとともに、IBMのSystem Recovery Boostによって計画ダウンタイムおよび計画外ダウンタイム時のより高速な復旧を実現する。