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Coltテクノロジーサービス、クラウドリージョン間の低遅延接続を実現する「Colt ULL DCA」を発表

 Coltテクノロジーサービス株式会社は23日、クラウドリージョン間でデータをより迅速に連携させるための統合サービス「Colt ULL DCA」を発表した。サービスは9月から本格的に提供を開始する予定。

 Colt ULL DCAは、Coltテクノロジーサービスが提供する2つの主要サービス「Ultra Low Latency(ULL):超低遅延」と「Dedicated Cloud Access(DCA):専用クラウドアクセス」を統合し、顧客がクラウドリージョン間でデータをより迅速に連携させるためのサービス。主要なグローバルクラウドリージョン間で、専用かつプライベートな接続を提供する。

 パブリックインターネットとクラウドプロバイダーのデフォルトのルーティングメカニズムを迂回することで、Coltのネットワークはデータが最短かつ最も効率的な経路で送信されることを保証する。これにより、ミリ秒単位のパフォーマンスが重要な企業にとって、より迅速な取引実行、スリッページ(注文時の価格と実際に約定する価格の差)の大幅な削減、および一貫性の向上を実現する。

 暗号資産取引所やデジタルアセット取引企業など、遅延に敏感なユースケースをターゲットに、クラウドリージョン間での高速で信頼性の高いデータ転送を実現する。こうしたレベルのアクセスは、物理的なハードウェアや複雑なネットワーク構築を必要とするオンプレミス型市場インフラに限定されていたが、Colt ULL DCAではそれらを不要にするとしている。

 Colt ULL DCAは、Coltのグローバルな超低遅延バックボーンにより駆動されており、275を超えるクラウドPoPsを網羅し、世界中の80を超える金融取引所および取引プラットフォームと接続している。

 ColtのMarketPrizmエコシステムの一環として、サービスはColtの金融市場向けエクストラネットであるPrizmNetとシームレスに統合されており、企業は単一のプラットフォームから、マーケットデータや流動性プラットフォーム一式に効率的にアクセスできる。

 Coltの主要な3つのAWSリージョン(アジア太平洋地域内の香港、シンガポール、日本)間で実施された概念実証実験では、Colt ULL DCAはネイティブのAWSバックボーンルーティングと比較して、平均15%低い遅延を実現したという。

 Coltテクノロジーサービスでは、デジタルアセットが主流となり、リアルタイム取引のニーズがますます高まる中、新たなサービスは金融市場接続の分野で最先端のポジションを確立し、暗号資産取引企業がグローバルなクラウドネイティブ環境で競争するために必要な速度と柔軟性、信頼性を提供するとしている。