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日経225企業の87%がAIエージェント活用、カギは「組織の再設計」――日本マイクロソフト
「Copilot Cowork」「Microsoft Scout」と活用事例を解説
2026年7月28日 11:19
日本マイクロソフト株式会社は27日、「日経225企業の87%がAIエージェントを活用」と題するブログ記事を掲載。企業のAIエージェント活用状況や、顧客企業および日本マイクロソフト自身の活用事例を紹介した。
このブログの内容と、自律的に仕事を進める同社のAIエージェント「Copilot Cowork」および「Microsoft Scout」について、同日に記者説明会を開催。日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 AI Workspace GTM本部 本部長 山田恭平氏が解説した。
AI活用の課題は「組織がAIを生かせる設計になっているか」
まずは企業のAIエージェント利用のデータについての話だ。
日本のAI利用率は、世界平均の3倍を超えるペースで伸びているという「Microsoft AI Diffusion Report 2026」のデータを山田氏は紹介した。
その背景として、AIモデルの能力やAIのエコシステムの広がりに加えて、複雑で専門的なタスクを扱えるようになったと指摘。「AIは単なるチャットボットを超えて、指示により業務を自動実行したり、一定の範囲で自律的に仕事を進めたりするように進化している」と語った。
そのAIエージェントの数については、13億個のエージェントが2028年までに展開されるというIDCのデータを山田氏は紹介した。
そして日本のAIエージェントの利用状況が、ブログのタイトルにもなっている「日経225企業の87%がAIエージェントを活用」というものだ。さらに、その企業のすべてが、市民開発したカスタムAIエージェントを利用しているという。
さて、そうしたAIエージェントの活用に向けて、リーダーは組織変革の必要性を感じているというデータも山田氏は紹介した。調査レポート「Microsoft 2025 Work Trend Index」によると、リーダーの82%が「今年は戦略やオペレーションを見直す重要な年」と考え、53%が「生産性を上げる必要がある」と考えているという。
ただし、その翌年の「Microsoft 2026 Work Trend Index」を見ると、65%(日本では65%)が「今すぐAIに適応しないと遅れる」と考える一方で、45%(日本では30%)が「仕事のやり方を変えるより、今の目標を守るほうが安全だと感じる」と感じ、13%(日本では8%)のみが「『AIで仕事を再設計すること』が評価される」と感じているというギャップがあると、山田氏は指摘した。
そして同じく「Microsoft 2026 Work Trend Index」から、AIの効果を左右する要因のうち、個人要因が32%であるのに対して、組織要因がその2倍の67%であるというデータも山田氏は紹介。「AI活用の課題は、実はもうツールがないことではない。実際に組織がAIを生かせる設計になっているかが本質的な課題だ」と述べた。
Microsoft 365のデータと連携し、ビジネスの文脈を理解
続いて、企業のAI活用方法と、そのためのMicrosoftプロダクトの話だ。
山田氏はまず、Microsoftが考える企業のAI活用への3つのフェーズを紹介した。
フェーズ1は、チャット形式でAIに聞いて回答をもらうフェーズ。次のフェーズ2では、AIエージェントをチームの一員として加えて作業を任せるようになる。そしてフェーズ3は、エージェントが互いにコミュニケーションをとって作業を実行し、それを人間が監督するというものだ。
これにあわせて、Microsoft 365 Copilotも進化している。「Copilot Chat」は、自然言語での応答とシンプルなタスク実行をするチャット形式のツールだ。続く「Cowork(一緒に働く)」の段階には、マルチステップの作業を実行する「Copilot Cowork」がある(6月に一般提供開始)。そして「Autopilot(自律的に働く)」の段階には、ローカルとクラウドを横断して自律的にタスクを実行する「Microsoft Scout」がある(Frontierプログラムで提供)。
ただし、Copilot ChatはChatGPT以来よく見られるチャット型AIであり、Copilot CoworkとMicrosoft ScoutもそれぞれClaude CoworkとOpenClawの技術をベースにしている。
そうした他社のツールとの違いとして、Microsoft 365のデータと連携しており、「普段皆さまが使っているメールやチャット、カレンダー、個人ファイル、共有ファイルなど、アクセス権のあるデータがデータソースになって情報を返してくれる」ことを山田氏は挙げた。
その例として山田氏は、ExcelからCopilotのエージェントモードで「このシートのフォーマットは変更せず、情報を埋めてください」と指示するだけで、アンケートデータをもとにレポートのテンプレートの空白部分にグラフなどが入るデモ動画を見せた。
これをさらに進めたものとして、AIにビジネスの文脈を理解させる仕組みである「Microsoft-IQ」も山田氏は紹介した。
「今までのAIでは、『このチャットの内容を見て』とか、『このファイルからデータを読み取って』といったように、システムの連携が部分部分で行われている。しかし実際の人間の進め方は、まずお客さまとミーティングして、その結果を社内で共有して、それをもとに議論して、決定事項が生まれてと、どんどん継続的につながっていく。そのため、データが分散している状態では、AIはデータのフルポテンシャルを活用できない」(山田氏)。
そこでビジネスの文脈を理解するのが「Microsoft IQ」だ。「Work IQ」は組織の人やワークフローがどう動いているかを理解し、「Fabric IQ」はビジネスデータ基盤を整理し、「Foundry IQ」はデータがどこにあるかファシリテートし、「Web IQ」はインターネット上の情報を集める、と山田氏は説明した。
中でもWork IQは、誰がどのような仕事をしているかを、普段のやりとりから分析調査してくれるものだと山田氏は言う。「営業の人が質問した時に必要とされるデータと、私が質問された時に必要とされるデータは違う。それを理解して結果がアウトプットされる」(山田氏)。
1つの指示から複数タスクを実行するCopilot Cowork、日々の作業を自動化するMicrosoft Scout
Copilot Chat、Copilot Cowork、Microsoft Scoutを業務で使う想定シナリオも、デモ動画を交えて説明された。
まず、Microsoftの技術イベント「Build」のまとめ記事を上司から依頼されたという想定シナリオで、Copilot Coworkを使う。この業務プロセスは、業務依頼を受け、方針を整理し、記事を作成し、レビュー会議を開くという流れになる。
こうしたプロセスを、従来のCopilot Chatと作業する場合には、人間が必要なタスクを洗い出して、一つ一つ指示を与える必要がある。それに対してCopilot Coworkでは、人間が指示を与えると、自動でタスクを洗い出して計画し、並行して実行してくれる。
またこうした作業ステップをスキル(Skill.md)という文書に記述しておくと、後から目的を伝えるだけで呼び出せる。これは、Copilot Coworkがタスクを洗い出して実行した後に、作成させることもできる。
デモ動画では、まずTeamsで会議を実施し、それをもとにCopilot Chatと壁打ちしてやるべきことを整理し、Copilot Coworkのプロンプトも作ってもらった。そして画面をCopilot Coworkに切り替えて、複数のタスクを実行させて、最終的なまとめ記事が作られた。
一方のMicrosoft Scoutは、人の代わりに仕事を完了してくれるオートパイロットだと山田氏は説明した。
例えば出張経費精算をする場合に、人に代わってMicrosoft 365やローカルのデータを検索し、出張情報やレシートなどを収集。そしてWebブラウザーを操作して経費精算ツールを起動し、ファイルもアップロードして提出してくれる。
また、「Build」のセッションに参加登録する時に、アカウントを自動的に選択しながらBuildのサイトにサインインし、キーワードをもとに関連するセッションを検索して参加登録し、スケジュールに登録し、報告メールも送信してくれる。
Copilot Chat、Copilot Cowork、Microsoft Scoutのそれぞれの適した使い方も山田氏は説明した。
Copilot Chatは、まずアイデアを壁打ちして、完了するまでの道筋を立てる手助けをしてくれる。そしてCopilot Coworkは、それをベースに、複数タスクを実際に自律実行してくれる。Scoutは、Webブラウザーの操作も委任し、最新情報の常時監視通知もしてくれる。
より具体的な役割としては、アイデア出しや、メールや会議のキャッチアップ、ExcelやWordの文書作成、詳細な調査と分析は、Copilot Chatで行えるという。また、1つの指示による複数のタスク実行や成果物の作成や、複数のシステムやアプリを横断する業務プロセスは、Copilot Coworkで行える。そして、日々の仕事を常時管理調整するオートパイロットには、Microsoft Scoutが使える。
業務にAIエージェントを作成する顧客企業および日本マイクロソフト自身の事例
ブログでも書かれているように、顧客企業および日本マイクロソフト自身のAI活用事例も山田氏は紹介した。
りそなグループでは、業務部門とIT部門が連携して、業務部門の担当者自身がMicrosoft Copilot StudioでAIエージェントを市民開発。融資、住宅ローン、企業年金、iDeCoの4領域で照会業務を代行するエージェントを構築して、問い合わせ対応の効率化と迅速化を実現した。さらに、ログや利用者フィードバックをもとに、AIエージェントを改善しているという。「フェーズ2を実際の業務で実現している」と山田氏は説明した。
また株式会社INPEXは、AI活用推進タスクフォース「AIR」を設置して、社内ブランディングやショート動画、リサーチツールの活用施策を展開。Copilot AgentとCopilot Studioを使い分けて、1000を超えるAIエージェントを社内開発している。これにより、年間20億円超の効果を創出したとのことだった。
日本マイクロソフト自身のカスタマーゼロ(0番目の顧客)としての事例も山田氏は紹介した。
同社では社内で「Copilotエージェントコンテスト」を開催しており、3回実施された。趣旨としては、会社の中でやっている仕事について、CopilotやCopilot Agentを活用して仕事を良くする方法を共有するというものだという。その中から2つの事例を山田氏は紹介した。
1つ目は「組織の技術ナレッジを資産化するAIエージェント」だ。技術営業が顧客からの質問に回答する時、ナレッジが属人化しているため、それを集約するというものだという。
これは、社内ナレッジや、過去のQ&A、公式ドキュメント、ベストプラクティスなどを組み合わせて質問に回答し、解決できなかったものは人にエスカレーションする。その人が対応したナレッジも蓄積され、どんどん進化していくとのことだった。
2つ目は「問い合わせ対応の課題と未来像」だ。サポート窓口業務を分析し、問い合わせ対応を数十のプロセスに分解し、その中からAIが効果的に使える工程を特定した。
その結果一次回答の検討と追加情報を収集する「回答、追加ヒアリング支援エージェント」、公開情報で解決可能かを判定する「問い合わせ要否判定エージェント」、適切な問い合わせ先を特定する「製品カテゴリ判定エージェント」の3つのAIエージェントをAgent Builderで作成したとのことだった。







































