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NTT東日本、長距離無線通信を利用した農業ICTソリューションのトライアルを実施

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は9日、NTT東日本新潟支店と株式会社新潟クボタ、有限会社エフ・エフ・エス フラワーファームしろねが共同で、切花栽培の生産性向上を目的とした効率的な営農の実現に向け、長距離無線通信を活用した農業ICTソリューションのトライアルを実施すると発表した。

 トライアルでは、フラワーファームしろねの切花生産従事者を対象として、栽培施設に複数のセンサーを設置。温度・湿度・日射量などを自動で収集し、切花生産従事者が分析を行うのに必要な環境情報を提供することで、切花生産の効率化を目指す。実施期間は2015年10月9日~2016年10月31日(予定)。

トライアルイメージ

 国家戦略特区(革新的農業実践特区)である新潟市で、農業改革に取り組む切花生産者に、バッテリーレス化したメンテナンスフリーのセンサーを複数設置し、1年間に数サイクルで切花栽培を行う施設の環境情報を取得し、四季などの影響による環境変化を数値で客観的に把握することにより、施設栽培での新たな知見獲得を目指す。

 また、従来手作業で実施していた温度・湿度・日射量などの環境情報を自動的に収集・分析することで、環境情報の管理効率化を図り、環境変動による被害を未然に防止することを可能とし、安定した切花生産と品質向上への寄与を検証するとともに、新潟市に情報共有を行い、効果的に農業改革などの取り組みを推進する。

 NTT東日本新潟支店では、光回線、センサーネットワーク、クラウド型施設監視ツールを提供。新潟クボタは、生産農家による農業ICTを活用した効率的な施設栽培の実践・検証支援、生産農家への農業ICTソリューション普及促進を行う。フラワーファームしろねは、農業ICTを活用した効率的な施設栽培の実践・検証を行う。

 トライアルで得られた知見については、施設、露地などの生産物を問わず全国に普及させていくことを視野にいれており、トライアルでノウハウを蓄積し活用することで、日本の農業のICT化に貢献していくとしている。

三柳 英樹