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IoTを活用してマンゴー栽培を支援――、沖縄セルラー、KDDI、スカイディスク、琉球大学が宮古島で実証実験

 沖縄セルラー電話株式会社、KDDI株式会社、株式会社スカイディスク、国立大学法人琉球大学の4者は23日、沖縄県宮古島市のマンゴー農場長北ファームにおいて、IoTを活用したマンゴー栽培の実証実験を4月より行うと発表した。期間は2019年3月まで。

各社の取り組み

 この実証実験では、栽培農家にとって重要な問題となる、マンゴーハウス内の異常高温や低温、乾燥、高湿度、日照不足、生育不足といった栽培状況を、IoT技術を活用して監視できるようにする。

 こうした監視にあたっては、省電力かつ広域なエリアカバレッジを特長とするIoT向け通信技術LPWAの1つ「LoRaWAN」を活用するが、LoRaWANのエリア化ならびにネットワークの運用をKDDIが担当する。あわせて、実験で取得するデータを今後のIoTサービスに活用するためプラットフォーム構築も行うとした。

ネットワーク構成図

 また、LoRaWAN対応センサーや、マンゴーハウス内の温度や湿度、日照などのデータを観測するIoTセンサーデバイス「SkyLogger」はスカイディスクが提供する。SkyLoggerを用いることで、観測データの一括管理と分析が可能になり、スマートフォンでも監視状況を確認できるほか、異常値をスマートフォンへアラートする機能も備えているので、不測の事態が起こった際もいち早く対応できるという。

SkyLogger

 あわせてこの実験では、マンゴーハウス内の状況に応じて、LED補光や二酸化炭素の局所添加を実施することにより、マンゴーの栽生育不良の改善を図るとのことで、これにより、増収や栽培期間の短縮化を目指す。

 この取り組みにおいて、沖縄セルラーはLEDや反射シートによる補光実験を担当。植物工場でのノウハウを活用して、日照不足の問題をLEDや反射シートを使って補光するシステムの開発実験を行う。

 また琉球大学は、光合成のタイミングでの二酸化炭素(CO2)を局所添加する技術を用いて、マンゴー栽培の促進向上を図るとしている。

補光実験の様子