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富士通、JCBと共同で手のひら静脈認証によるカードレス決済システムを構築

 富士通株式会社と富士通フロンテック株式会社は7日、株式会社ジェーシービー(以下、JCB)と共同で、JCBのグローバル決済ネットワークに富士通の手のひら静脈認証技術を取り入れ、カードレス決済システムを構築したと発表した。

システム概要

 富士通では、同システムは世界で初めて手のひら静脈情報とカード情報を紐付けることで、カードもスマートデバイスも不要で、手ぶらで本人認証ができる先進的な決済スキームを実現すると説明。JCBでは、7月にJCB本社の社員食堂における飲食料金決済において、JCBの社員数百名による実証実験を行い、有効性を確認した。

 近年、各種決済カードに代わる、スマートデバイスや指紋を使った様々な決済手段が実現されている中、JCBではカードを携帯しなくても体の一部で決済が可能な生体認証技術による決済を検討していた。検討の結果、世界約60カ国で6300万人以上の利用実績があり、指紋などと比べて偽造が困難な手のひら静脈を利用する、富士通の認証技術を活用したカードレス決済システムの構築を決定した。

 システムでは、JCBの利用者の手のひら静脈情報を、あらかじめカード情報とともに富士通のデータセンター内の認証サーバーに登録。利用者が買い物をする際には、手のひらを静脈センサーにかざすと認証サーバーから合致するカード情報が読み出され、決済が行われる。これにより、手ぶらでの決済が可能となり、カードやスマートデバイスを紛失する心配もなく、手のひら静脈は指紋などの体表情報と異なり濡れても形状が変わらず認証が可能なため、海水浴場や温浴施設などあらゆるシーンで利便性に優れた決済が可能だとしている。

 富士通と富士通フロンテックでは今後、JCBとともに、他の国・地域でも実証実験を重ね、JCBの顧客および加盟店のニーズに適した決済スキームを実用化することを目指し、システムをブラッシュアップしていくとしている。

三柳 英樹