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LinuxCon + CloudOpen 2015レポート、最新のOSS動向などを解説
Docker+LinuxがOSの未来?
(2015/6/10 06:00)
Facebookのオープンソース利用術
3日目最後のキーノートセッションでは、Facebook社のChris Mason氏が、FacebookでのLinuxとオープンソースへの取り組みについて語った。なおChris Mason氏は著名Linuxカーネル開発者で、Btrfsの開発者として知られる。
Mason氏はまず「Facebookといえばスケール」として、データセンターなどのインフラと、9億数千万人にのぼるユーザー数を挙げ、「9000人のスタッフでこの規模をどうやってさばいているか。その答えはオープンソースだ」と述べた。
実際のオープンソースソフトウェア利用形態について、まずLinuxカーネルについて紹介。Mason氏が入社したころには、一貫したアップデートができずいろいろなバージョンが混在していたことや、独自パッチを多数適用していたためバージョンアップが難しいことなどの問題があったという。
現在では、パッチをできるだけ本家に送ってマージしてもらうことで、パッチやバージョンの管理の労力を削減したという。「Facebookはコンピュータサイエンスのあらゆる問題をもっており、ジェネリックなユースケースとなっている」とMason氏。いまLinuxカーネル4.0を社内に展開中とのことで、独自パッチはたった6つになっているという。
Linuxカーネル以外にも、Facebookはさまざまなオープンソースソフトウェアを開発し、GitHubで公開している。ただし、活動状況を調べてみると、リリースから日数がたつと活発にメンテナンスされていないというような、健全ではない状況がわかったという。そこでFacebookでは、GitHubからプルリクエスト数やコントリビューター数などのデータを取得して、メトリクスを追跡するようにした。これによって、プロジェクトの健全性を定期的にチェックできるようになり、改善されたとMason氏は報告した。
そのほか、データセンターやその中の機器の設計をオープンソースにする「Open Compute Project」に多くの大手企業が参加していることや、独自のPHP実行エンジン「HHVM」を自社だけでなくBox社なども採用して性能を向上させていることなどをMason氏は紹介した。