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VLAN設定、最大64万個まで――NECが大規模向けSDNスイッチ2機種

 NECは1日、通信事業者やサービスプロバイダの大規模データセンター向けに、サーバーラック数千相当のネットワーク構成が可能なSDN対応スイッチ新製品を発売した。

 ラインアップは、10GbE×48ポートでサーバーを集約するToR(Top of Rack)スイッチ「PF5340-48XP-6Q」と、40GbE×32ポートで複数ラックを集約するアグリゲーションスイッチ「PF5340-32QP」の2機種。これらを制御するSDNコントローラーと組み合わせることで、拡張性・コスト効率に優れた大規模データセンターのネットワークが構築可能という。

 最大の特長は、QinQフレーム方式、OpenFlow技術、端末アドレス自動学習機能を組み合わせた転送方式(以下、同転送方式)を採用することで、VLANの制限値であるVLAN ID約4000個を大きく超える「最大64万個まで」(同社)のVLAN設定を実現したこと。

 QinQフレームは、IEEE802.1adで規定され、ユーザートラフィックのVLANフレームに別のVLAN Tagを付与してカプセル化されたフレーム。このTagにより、制限値を超えたVLAN設定を可能にする。オーバーレイ方式のサーバー間接続に採用されることが多いVXLAN、NVGRE、MPLSなどのカプセル化に比べ、フレーム・オーバーヘッドが4byteと、大幅に小さいのがメリットとなる。

 同転送方式は、非営利標準化団体Open Networking Foundationで定義されたもので、OpenFlowプロトコルによりフローを設定して初期トラフィックを転送後、初期トラフィックから端末MACアドレスを自動学習して転送する。

 これらにより、数千ラック相当の大規模データセンターのネットワークを構築可能にしている。

 PFシリーズのSDNコントローラーを組み合わせることで、最大6万4000のユーザーを仮想テナントネットワークに収容したマルチテナント環境を実現。テナントユーザーが自由にVLAN IDを設定でき、特にベアメタルサーバーや仮想サーバーの収容においても、VLAN IDのネットワーク内での一意性をシステムが自動で担保し、運用管理工数を軽減するという。

 標準価格は245万円から。販売目標は5年間で1万台。

川島 弘之