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「HP ProLiant Gen9」が発売、コンセプトは「ワークロード特化型」に

Xeon E5-2600v3を搭載した8機種

 日本HPは2日、次世代サーバー「HP ProLiant Generation 9」を発売した。Gen8の「自働サーバー」としての特徴を継承しつつ、新たに「ワークロード特化型サーバー」というメッセージを打ち出し、「サーバーの再定義」を進める。

 Gen9のコンセプトは「ワークロード特化型」。データの急増、端末の多様化、伴うビジネス・ワークロードの多様化が背景。「クラウド、モバイル、ビッグデータに代表される技術の急変には、これまでのサーバープラットフォームでは対応しきれない」とし、多様化するワークロードに「Compute(ワークロードにきめ細やかに対応するコンピューティングリソース)」を提供するという。

 対象ワークロードは、HPが定義する「汎用ビジネス・アプリケーション」「ミッションクリティカル環境」「ビッグデータ・HPC・Web」「仮想化・クラウド基盤」で、それぞれに最適化された「Compute」を提供。ラインアップは、ラック型、ブレード型、タワー型、スケールアウト型の4タイプ・8製品で、いずれも最新のXeon E5-2600v3を搭載。最適化された設計と自動化技術により、データ処理性能を向上し、従来よりも低いTCOで複数ワークロードの効率を高めるという。

対象ワークロード

 特長は、Gen8の「自働サーバー」としての特長を継承しつつ、「データセンターのコスト効率の改善」「サービス導入のスピードアップ」「ワークロードに応じた性能の最大化」を図る新技術を実装した点。

データセンターのコスト効率の改善
サービス導入のスピードアップ
ワークロードに応じた性能の最大化

 データセンターのコスト効率の改善では、内蔵ストレージを仮想マシン間で共有化する「HP StoreVirtual VSA」の1TBライセンスを無償バンドルするほか、45℃環境での動作保証や20%の省電力化などで運用・冷却コストなどを下げた。

 サービス導入のスピードアップでは、セットアップ~システム監視~自動ログ収集~サポートを極力自動化する「自働技術」を進化させたほか、「iLO Federation」「UEFI」「RESTful API」に対応することでオンボード管理性を強化した。また、仮想インフラの構築やクラウド連携を短時間で行えるように、「HP OneView」による一元管理性を向上。「サーバー、ストレージのほか、ネットワーク製品の管理もOneViewに統合し、Software-Defiend環境を推進する」。また「2014年末に提供予定のHP OneView新版による“Converged Management機能”を利用することで、ITインフラの実装を最大66倍高速化する」としている。

 ワークロードに応じた性能の最大化では、内蔵ストレージ性能を4.8倍、データベース処理性能を4倍、仮想化でのネットワーク性能を4倍に高められている。

新製品の主な特長と価格

ラインアップ

 ラックマウント型では「DL160/DL180/DL360/DL380 Gen9」を提供。システムの小型化やASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)環境基準A4への適合が図られ、最大45℃での動作を保証する。最大18コアまたは12コアのXeon E5-2600v3を2基搭載。価格は、DL160 Gen9が29万円(税別)から。

 ブレード型では「BL460c Gen9」を提供。仮想化・クラウド環境ワークロードに最適化され、柔軟なリソースプール形成基盤として利用できる。価格は48万1000円(同)から。

 タワー型では「ML350 Gen9」を提供。高負荷ワークロードに最適な5U/2Wayタワーサーバーで、ストレージ、メモリ、I/Oすべてで優れた拡張性を備える。最大18コアのXeon E5-2600v3×2基、最大144TBのHDDを搭載可能。大容量の画像データ処理などに最適なストレージサーバーとしても利用できる。価格は34万円(同)から。

 スケールアウト型では「XL230a/XL730f Gen9」を提供。XL230a Gen9は「HP Apollo 6000 System」用モジュラー型サーバートレイ。ラック型の2倍の高密度を実現する。最大16コアのXeon E5-2600v3×2基、最大512GB DDR4メモリを搭載可能。価格は46万7000円(同)から。XL730f Gen9は、常温水冷スパコン向け基盤として利用できるHP Apollo 8000用サーバー。

川島 弘之