仮想化道場
ワークロードに最適化されたComputeを提供、ProLiant Gen9の1Uモデル「DL360」を試す
(2015/5/8 06:00)
DL360 Gen9の特徴は
DL360 Gen9は、Intel Xeon E5-2600 v3シリーズを2ソケット搭載している。1Uサーバーでありながら、TDPが160Wのプロセッサにも対応。現在、もっともCPUコア数の多いXeon E5-2699 v3(2.3GHz、TDP145W)を使用すれば、36コア/64スレッド(18コア×2プロセッサ)という高いパフォーマンスが実現する。
1Uサーバーといえば拡張性に難があると思われがちだが、搭載できるメモリは、2UのDL380 Gen9、4UのML350 Gen9と変わらず、DDR4メモリが最大24本挿せる。これにより、最大768GBの大容量メモリ空間を持つサーバーとなっている。
DDR4メモリを採用することで、省電力化とともに、メモリのパフォーマンスが大幅に引き上げられている。
拡張カードスロットも、フルハイト/ハーフレングスのPCIe Gen3×16が1本、ロープロファイル/ハーフレングスのPCIe Gen3×8が1本と、1Uサーバーにしては、拡張I/Oが充実している点も特徴だ。
さらに、ネットワークにはFlexFabric LOMを使うことで、PCIeスロットを使わずに、10GbEネットワークなどが利用でき、ストレージインターフェイスに関しても、ボード上にHPのSmartアレイコントローラを内蔵しているため、PCIeを使用しない。
DL360 Gen9はモデルによって搭載できるディスクの最大数が変わるが、もっとも搭載可能なモデルでは、2.5インチディスクを最大10台搭載できる。
またHPのSmartアレイには、SSDをHDDキャッシュにするSmartCache機能が用意されている。これを使用すれば、HDDを使って、データベースなどディスクに負荷のかかるアプリケーションを利用する場合でも、高いパフォーマンスが期待できる。
ただ残念だったのは、NVMe接続の高速SSDに対応していないことだ。SSDは、12Gbps SASや6Gbps SATA接続になるため、フラッシュメモリの高いパフォーマンスを最大限発揮することはできない。NVMe搭載のサーバーに関してはHPでも計画されているため、2015年中には発表されるだろう。
なお、高密度サーバーにおいて大きな問題になるのが、動作温度だ。ProLiant Gen9では、45度での動作を保証するASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)の環境基準A3に対応している。45度での動作が保証されたことで、データセンターが冷却にかけるコストを20%ほど省電力化できる。
このほか、iLOの性能アップ、小型のパワーユニットの採用(シャーシに占める面積が減り、サーバー内部のスペースが広がった)など、CPUやメモリ以外のハードウェアも機能が向上している。
ソフトウェア面でも、分散型の仮想ストレージシステムHP StoreVirtual VSAの1TBライセンスが標準で添付している。さらに、クラウドや仮想化など多数のサーバーを運用するデータセンターにおいて、システム導入/運用・管理/更新までを一括して管理するHP OneViewも、Gen9に対応している。