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シスコ、スタイリッシュなコラボレーションデバイスを発表

クラウドサービス「Cisco CMR」も提供

 シスコシステムズ合同会社は7月1日、組織内外の人々とのコミュニケーションを円滑にするパーソナル(個人向け)コラボレーションツールの新製品として、デスクトップコラボレーションデバイス「DX70」と「DX80」、およびクラウド上で利用するコラボレーションサービス「Cisco Collaboration Meeting Rooms」(以下、Cisco CMR)を提供開始すると発表した。

シスコ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏
シスコのコラボレーションロードマップ

 今回の新製品は、従来までの煩雑なコラボレーション環境をよりシンプルにし、ワークスタイル変革を加速させる、同社の新コラボレーション戦略の一環となるもの。シスコ 執行役員 コラボレーションアーキテクチャ事業のアーウィン・マッティー氏は、「当社は現在、操作性を重視した使いやすいツール、クラウドを活用したシンプル&スピーディーなサービス、そして既存の投資を無駄にしないソリューションを提供することをコンセプトに、ユーザー中心のコラボレーション戦略を進めている。今年3月に会議室向けのデバイス『SXシリーズ』、『MXシリーズ』を発表したが、これに続き今回、個人向けのデバイス『DXシリーズ』とクラウドサービス『Cisco CMR』をリリースする」と、新製品の位置づけについて説明。「今年下期にはモバイル向けのソリューション、2015年度にはデバイスを問わずアプリケーションを使ったコラボレーションを実現するソリューションを提供していく予定だ」と、今後のロードマップについても言及した。

デスクトップコラボレーションデバイス「DX80」
デスクトップコラボレーションデバイス「DX70」

 「DX70」と「DX80」は、タッチスクリーン対応の使いやすい大型画面を備えたAndroidベースのデスクトップコラボレーションデバイス。「DX70」は14インチタッチパネル、「DX80」には23インチタッチパネルを搭載しており、高解像度(HD)ビデオ、高品位な音声システム、Web会議、統合型ビジネスアプリケーション、Webブラウザなど、コラボレーションに必要な機能を1つのデバイスに統合している。また、フル装備のAndroid OSを搭載し、アーキテクチャとAPIを装備しているため、ホワイトボードアプリケーション、CRMツールや垂直アプリケーションとの統合など、企業やサードパーティでは特定ニーズに対応したアプリケーションの開発も可能となっている。

「DX80」のバックパネル

 デザイン性にもこだわっており、優れたScandafornia(Scandinavian/Californian)」風のデザインを採用し、どの角度から見てもすっきりとして流麗なスタイルを実現した。「スリムで洗練されたデザインなので、省スペースで導入することができる。また、バックパネルも、ケーブルがごちゃつかないよう工夫を施している。このほか、Webカメラを下に向けて書画カメラとして利用したり、本体を傾けてタッチパネルを上にして活用するなど、様々な用途に応じて使いやすい設計になっている」(マッティー氏)としている。

 さらに、「DX80」には、周囲の雑音を解消するインテリジェントオーディオ機能を搭載。電話をかけた相手には、自分の顔が見え、声が聞こえるが、注意をそらすような背景雑音(ホームオフィスの犬が吠える声や、隣の席の声など)は相手に聞こえないという。また、同社が最近発表したインテリジェントプロキシミティも搭載しており、「DX80」と携帯電話を「ペア設定」し、「DX80」と携帯電話の間で通話を切り替えることができる。

コラボレーションサービス「Cisco Collaboration Meeting Rooms」のデモ画面

 クラウドサービス「Cisco CMR」は、クラウド上に常時利用可能な個人用のビデオコラボレーション空間を提供する。このプライベートクラウド会議室には、同社製のビデオエンドポイントをはじめ、標準ベースの多数のビデオエンドポイント、Cisco WebExに対応したJabberなど任意のデスクトップ/モバイルクライアントなど、あらゆるエンドポイントから簡単に同時接続が可能。また、Microsoft Lync(2010、2013)やサードパーティ製のその他のソフトクライアントにも対応し、相互動作するという。他の類似機器よりも多くの同時接続ユーザーに対応しており、専用の会議室のURIをクリックするだけで、組織内外の人々が様々なデバイスを使って会議に参加することができる。

唐沢 正和