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「VMware Virtual SAN」が国内提供、仮想環境のストレージをシンプルに

 ヴイエムウェア株式会社は13日、「VMware Virtual SAN」の提供を開始した。「Software-Defined Storage」分野の最初の製品と説明する。

 VMware vSphereのカーネルに直接統合されたVMware Virtual SANは、「ハイパーバイザー統合型ストレージ」という新たな階層を提供する。x86サーバーに内蔵されたHDDとフラッシュをプール化することで、仮想マシンに最適な共有データストアを作成できる。

 仮想マシン向けの共有ストレージアレイが不要になるとともに、効率的なデータへのパスを提供することで、高いパフォーマンスを実現。フラッシュによる読み取り/書き出しのキャッシングを通じて、32ノードクラスタで最大200万IOPS(読み取り)、最大64万IOPS(読み取り/書き出し)のベンチマークをたたき出している。

 そのほか、1ノード単位でクラスタまたはディスクを追加できる拡張性や、ストレージ ポリシーに基づく管理を実現。ストレージの管理モデルを従来のデバイスベースからアプリケーションベースに移行し、VMware Virtual SAN単一データストア上で、仮想マシンごとのポリシーに基づいてさまざまなサービスレベルを設定できるという。

 VMwareスタックと完全に統合されているため、利用者はバックアップ、クローン作成、レプリケーション、スナップショットなどのデータサービスや、「High Availability」「vMotion」「Storage vMotion」などの機能も利用できる。また、「VMware Horizon View 5.3.1」や、VMware vCenterの「Site Recovery Manager」「Operations Management Suite」「Automation Center」との相互運用性も備えている。

 設定と導入は、VMware vSphere Web Client上のわずか2クリックで行える。導入にあたっては、サーバーに事前構成された「VMware Virtual SAN Ready Nodes」と、利用者が自由にコンポーネントを選べる「コンポーネントベースのハードウェア互換性ガイド」という2つの導入オプションが選択できる。現時点で150以上のコンポーネントと、13のReady Nodesが認証を取得しているとのこと。

 市場想定価格は、VMware Virtual SANのコア、vRAM、VM数無制限で31万2000円/プロセッサから。期間限定で購入できる、VMware Virtual SANと「VMware vSphere Data Protection Advanced」のパッケージ製品も、36万円/プロセッサから提供される。

川島 弘之