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ヴイエムウェア、包括的なクライアント環境を提供する「Horizon 6」

 ヴイエムウェア株式会社は10日、仮想デスクトップを中核に、エンドユーザーのワークスタイル変革を支援するソリューション「VMware Horizon」の新版、「同 6」を発表した。クライアント仮想化を実現する「VMware Horizon View」でリモートデスクトップサービス(RDS)ホスト型をサポートしたほか、統合ポータルの改善、管理機能の強化などが行われている。提供開始は、2014年第2四半期の予定。

 「VMware Horizon」は、さまざまなアプリケーションへのアクセスを可能にする統合ポータル「VMware Horizon Workspace」、クライアント仮想化のHorizon View、Windowsクライアント環境のイメージを統合管理する「VMware Horizon Mirage」といったコンポーネントから構成されるソリューション。

 VMware Horizonによるクライアント仮想化では、「VMware ThinApp」でパッケージ化されたアプリケーションや仮想デスクトップ(VDI)、RDSセッションベースのデスクトップによる仮想化を利用できたが、今回からRDSホスト型に対応し、Windows Serverで動作しているアプリケーションを利用可能になった。

 さらに、x86サーバーの内蔵ディスク(HDD/SSD)を利用してストレージプールを構成する、「VMware Virtual SAN」との連携にも対応している。VDIではストレージコストが問題になる場合が多いため、安価なx86サーバーベースのVMware Virtual SANを利用することにより、コストが削減できるとのこと。

1つのプラットフォームからさまざまなクライアント仮想化を提供する
VMware Horizon View向けのVMware Virtual SAN

 また、Horizon Workspaceで提供されるポータル(統合ワークスペース)では、Horizon Viewで扱うさまざまなクライアント環境・アプリケーション、SaaSなどをカタログ化し、ユーザーからの容易なアクセスとシングルサインオンによる利便性を提供している。

 今回はこの統合ワークスペースで、Citrix XenAppを利用したアプリケーションやOffice 365も取り扱えるようになった。もちろんXenAppの場合、アクセスにはCitrix ReceiverなどCitrix側のテクノロジーを利用するが、統合ワークスペースに登録して認証連携ができるようにしたことで、ユーザーの利便性が増したとのこと。

統合ワークスペースの画面例。実際にアクセスする先は右の画面のようにバラバラであるものの、エンドユーザーは特に意識することなく、必要に応じてアプリケーションなどを利用できる

 Horizon Mirageについては、提供されるPC環境のイメージ管理機能が強化された。管理できるイメージを従来よりも拡張し、物理PCだけでなく、仮想マシンや、BYODで利用する個人所有のPCも管理対象としている。

 このほか、統合管理ツール「vCenter Operations Manager for View」との連携が強化され、例えばある仮想デスクトップの負荷が高くなった際に、どのアプリケーションの負荷が高いのか、といったところまで見られるようになったとのこと。

Horizon Mirageの強化。物理PC以外の環境もサポートした。
Horizon View向けのvCenter Operations Manager for View

 なお、今回からはVMware Horizonのラインアップが変更されている。

 「Horizon View Standard Edition」は従来のHorizon Viewと同じで、VDIやThinAppなどによるクライアント仮想化を提供するもの。ライセンスは同時接続ユーザー(CCU)方式を採用する。

 2つ目の「Horizon Advanced」は、Horizon MirageとVMware Virtual SAN、統合ワークスペース、RDSホスト型などのライセンスがさらに含まれており、ライセンスは指定ユーザー/CCUの両方式が用意される。最上位の「Horizon Enterprise」は、vCenter Operations for Viewなど管理系のライセンスも含まれており、こちらも指定ユーザー/CCUの両ライセンス方式が用意される。

 「エンドユーザーコンピューティングでは、個人のニーズに合わせた働き方を提供する、安全なワークスペースの提供がミッション。これを実現するには、すべてのデスクトップやアプリケーションの提供と管理を行うほか、モバイルデバイス、さらにはコンテンツやセキュリティの管理も行う必要がある。これらに関するさまざまな製品はすでにあるが、統合して単一プラットフォーム上で提供しているのは、当社だけだ」(代表取締役社長の三木泰雄氏)。

VMware Horizonのエディション構成
代表取締役社長の三木泰雄氏

石井 一志