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放射線環境下の作業者を守るウェアラブル型システム

NTTデータと日環研が共同開発へ

RadiBorgを装着した作業員

 株式会社NTTデータと株式会社日本環境調査研究所(以下、日環研)は、過酷な放射線環境下の作業者に「安心・安全」を提供するウェアラブル型システム「RadiBorg(ラディボーグ)」の共同開発を3月1日より開始する。

 同システムでは、原子力発電所(以下、原発)や関連施設に従事する作業者が、ウェアラブル端末の視野内に表示された線量当量率(個人が単位時間当たりに受ける放射線によって現れる影響の度合いを表す単位。Sv/h、mSv/h、μSv/hなど)と、個人被ばく線量をリアルタイムに確認できる。

 防護マスクに取り付けられたウェアラブル端末・ウェアラブルカメラ、線量計、情報端末、ソフトウェアで構成され、防護服の上から装着する。

システム構成品

 作業者の視野映像と線量当量率などのデータはデジタルアーカイブに記録・蓄積され、ビッグデータとして分析・予測シミュレーションを行うことで、作業場所や作業環境の事前把握、作業指示書の自動作成、作業者の健康状態を反映した就業管理などに寄与するという。

 2014年3月末までに試作品を完成させ、2014年7月から本格的な販売を行う予定。価格は150万円。原発を保有する全国の電力会社や、原発立地自治体などにある原子力防災センター向けに、日環研が販売。日本国内で2014年度中に160セットの販売を目指す。

川島 弘之