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NEC、顔認証技術とSSSのAIチップ搭載カメラを利用した入退管理ソリューション
2025年5月13日 06:30
日本電気株式会社(以下、NEC)は12日、自社の顔認証技術とソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)のAIチップ搭載カメラ(以下、AIカメラ)を融合した入退管理ソリューションを開発し、5月より販売開始すると発表した。
新ソリューションは、高い認証精度を維持しつつさまざまな場所・シーンで活用可能な入退管理ソリューション。2024年11月に開始した、NECとSSSによる顔認証ソリューションの戦略的協業の一環として開発・製品化された。
一般的に、顔認証技術の性能や信頼性は設置環境に大きく左右され、特に、低照度、逆光、斜光などの条件下では、認証精度の低下や設置場所に制限が生じることが課題だったという。しかし、今回利用するAIカメラは、NECが開発した光環境の変化に強いAIモデルを搭載しており、手のひらほどの小型サイズでありながら、窓がなく十分な照度を得にくい工場や倉庫、夜間に照度が変動する店舗、外光の影響を受けやすいテーマパークやスタジアムなど、従来、設置環境が原因で導入が難しかった施設への導入と、高い認証精度を実現しているとした。
また、このAIカメラは、状況に応じてリアルタイムで画質の最適化を実施し、カメラ内部で顔の特徴量抽出を行えるので、厳格な本人確認を実現しつつ、現場でのカメラごとの設定調整や運用管理の手間を軽減可能。さらに、顔画像をクラウドに送信する必要がないことから、個人情報の漏えいリスク低減によるセキュリティ強化と管理コストの抑制を実現するとしている。
加えてカメラは、こうした特徴を備えながらも、他社製品と比べて価格を約40%低減しており、導入コストも抑制できるとのこと。
価格は、カメラ1台と、それに伴うソフトウェアの構成を想定した場合で13万4000円(税別)から。エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」、エッジ制御端末、認証プラットフォーム費、入退システム、構築・保守費用などは別途必要になる。
なお今回発表された入退管理ソリューションは、10月より、NECのセレスティン芝三井ビルディングにおける先行利用が決定。SSSのグループ会社内での利用も検討されているとのことだ。